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医ケア児の父、子育てを語る 藍野大学で講演

2025年2月24日

※文化時報2024年12月10日号の掲載記事です。

 「医療的ケア児を健やかに育む共生社会の実現に向けての歩み」と題した講演イベントが11月23日、藍野大学(大阪府茨木市)で行われた。医療や福祉、教育関係者ら100人余りが参加し、子育てや災害時の避難などについて考えを深めた。

 医療的ケア児を育てる大阪府在住の保護者や医療・福祉関係者らでつくる「医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充をめざす会」などが主催。第1部では2人の父親が講演した。

 脳などに障害のある高校生の長男がいる森本亮介さんは、今年5月に仕事をやめて主夫に転身。地域とのつながりを大事にしたいとの方針から、長男を地域の学校に通わせてきた。国内外を家族そろって旅行するといい、「旅行の準備をしたり、車いすでどこまでどのように行けるかを考えたりすることが、災害対策にもつながっている」と話した。

 小学6年の長男が進行性の重度神経疾患という河越義仁さんは、運動会に出られなかった長男のために、担任の先生やクラスメートが考えて運動会を後日開いてくれたというエピソードを紹介。「父の願いとしては、できない前提ではなく、『できるようにするには』を考えてもらい、健常児と少しでも近い生活をさせてあげたい」と話した。

 自身は元々海外で働いていたことから、キャリアアップのため再度挑戦したいものの、長男のことを考えるとなかなか踏み出せない葛藤を抱えていると明かした。

(画像アイキャッチ兼用:医療的ケア児の息子について話す河越さん)
医療的ケア児の息子について話す河越さん

 第2部では、災害時の支援について大阪府茨木保健所が報告。今夏、福祉施設への避難訓練を実施したことから、参加した事業者が自宅から医療機器を持ち運ぶ手順や受け入れ側の流れについて説明した。

 社会福祉法人秀幸福祉会の神野享士(きよし)さんは「会議や研修を通じて全員が同じ思いで支援に取り掛かれるよう心掛けている」と話し、他の事業所や地域住民との協力体制の構築を課題に挙げた。

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