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若年性認知症を知って 佛教大学で交流イベント

2025年4月24日

※文化時報2024年12月17日号の掲載記事です。

 佛教大学と京都府は1日、同大学二条キャンパス(京都市中京区)で、若年性認知症のある人が交流するイベント「オレンジフェス」を開いた。40~60代の当事者約20人と家族や学生らを含む計約120人が参加。学園祭に参加したいという当事者の声を聞いた学生の提案で、当事者と学生が共同で企画運営した。(大橋学修)

 「やったー。すごい」。学生の歓声が1階ロビーに響いた。人の背丈ほどもあるウレタン素材の巨大だるま落としを、学生と若年性認知症のある人が楽しんでいる。その横では、障害のあるなしに関わらず楽しめるボッチャに夢中になる人たちが群がっていた。

学生と当事者が一緒になって盛り上がっただるま落とし
学生と当事者が一緒になって盛り上がっただるま落とし

 他にも染色したドライフラワーをガラス瓶に入れた置物「ハーバリウム」の制作などの体験や、就労支援施設の物販コーナーも。カフェテリアでは、当事者がコーヒー豆をひいたり、ホールスタッフをこなしたりしていた。

 オレンジフェスは、若年性認知症のある人と家族が外出する機会を設けるために計画され、昨年に続いて2回目。京都府こころのケアセンターの木村葉子さんは「若年性認知症があっても社会参加できることを、いろいろな人に感じてもらいたい」と話した。

フラットな関係築く

 日本医療研究開発機構の調査では、若年性認知症の発症率は10万人当たり50.9人とされ、京都府内の人数は700~800人と推定される。当事者が地域単位で集まることが難しく、交流できる場をなかなか作れないため、今回は大阪府や奈良県からも参加者があった。

若年性認知症のある人が運営したカフェテリア
若年性認知症のある人が運営したカフェテリア

 フェスを統括した保健医療技術学部理学療法学科の奥山紘平助教は「必ずしも当事者や家族だけで分かち合う場を設けることが重要ではない」と指摘。若年性認知症のある人や家族が、いろいろな葛藤や生きづらさを感じていることを広く知ってもらう必要があることを強調した。

 その上で「お寺で開かれる地域の集いやカフェに当事者が参加し、フラットな関係を築きながら、地域に必要な一人として支え合うようになれれば」と話した。

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