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死を語る意味考える 星野哲さん招き連続講座開講

2025年6月23日

※文化時報2025年5月30日号の掲載記事です。

 日蓮宗妙瑞寺(菊池泰啓住職、大分市)に事務局があるNPO法人これからの葬送を考える会九州は17日、立教大学大学院兼任講師で元朝日新聞記者の星野哲さんを招いて講演会を開いた。「最期のかたちも人それぞれ~多様化する生き方の中での死と葬送」をテーマにした連続講座の第1回で、オンラインと会場で約30人が聴講した。

 星野さんは「現代は空前の多死社会でありながら、死を身近に感じない社会である」と指摘。家族やコミュニティーといった中間集団が弱まり、個人が一人で死に向き合うことが求められるようになったため、「終活」が広まったと説明した。

(画像:これからの葬送を考える会九州の講演会にオンラインで登壇する星野哲さん(右上))
これからの葬送を考える会九州の講演会にオンラインで登壇する星野哲さん(右上)

 その上で、死を語り、考えることの意味について「死が身近にあふれる不幸な状況でない限り、生が充実していれば死生観など考える必要は本来、ほとんどないはずだ」と問題提起。それでも意味があるのは、「他者なしでは生きられない」というつながりの大切さを再認識する場合だと強調した。

 また「この世には死の経験者がおらず、どう考えようが全く自由。他者から学ぶものではなく、自分の生き方でしかない」と伝えた。

 これからの葬送を考える会九州は、妙瑞寺が1996(平成8)年に任意団体「お墓と生き方を語る会」として設立し、葬祭業者や市民と共に、死や葬送に関する情報共有などに取り組んできた。

 近年は時代の変化によって死や葬送に関する選択肢が増えた一方、どのように最期に臨むのか不用意な人が少なくないことから、人生観や死生観を考える一助にしてもらおうと、連続講座の開催を決めたという。

 連続講座は全5回で、オンラインと妙瑞寺のハイブリッドで行われる。無料。第2回以降の日程と講師は次の通り(敬称略、時間はいずれも午後2時~3時半)。問い合わせは、これからの葬送を考える会九州(097―541―7389)。

 7月6日=茶屋元崇行(葬儀社、社会福祉士、僧侶)▽10月5日=滝野隆浩(ジャーナリスト、元毎日新聞記者)▽12月14日=小川英爾(日蓮宗僧侶、新潟県妙光寺院首)▽来年2月15日=井上治代(認定NPO法人理事長、研究者)

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