2025年12月12日
※文化時報2025年10月24日号の掲載記事です。
広島県三次市の浄土真宗本願寺派源光寺(福間玄猷住職)は11日、障害のある子やひきこもりの子が直面する「親なきあと」の健康問題に関する講演会を開いた。一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室理事の藤井奈緒さん(52)が登壇。重度の知的障害のある長女(22)の実体験を踏まえ、病院探しや健康管理にまつわる課題について語った。
藤井さんは、成人になった長女がそれまでワンストップで診てもらえていた小児専門病院から、地域で病院を探すよう求められたというエピソードを紹介。障害のある人を診察し慣れた病院が少ない上、専門科ごとに自力で見つけなければならず、親の負担は大きいと語った。

また、「痛い・苦しい・しんどい」といった訴えを自分からできなければ、病気やけがの発見が遅れて悪化し「気付いたときは手遅れということになりがち」と指摘。こうしたことは知的障害の有無にかかわらず、認知症になった高齢者など「誰にでも起こり得ることだ」と訴えた。
対策としては、本人の体調がベストなときに体温や血圧といった健康状態をなるべく詳細に記録しておき、悪化したときに医師や支援者らが比較できるようにしておくことを挙げた。
さらに、どんなに重い知的障害や認知症があっても、必ず本人に確認する姿勢が大事だと強調。「この人は分かってくれようとしている」という信頼感を得ることが、スムーズな受診につながると伝えた。
この日は地域住民や他の寺院僧侶、源光寺の「親なきあと」の活動を支える専門家ら9人が参加。講演後にはお茶とお菓子を味わいながら、終活を含むさまざまな話題について、ざっくばらんに語り合った。