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校内に冒険遊び場 大阪千代田短大

2023年9月20日

※文化時報2023年8月25日号の掲載記事です。

 高野山大学(添田隆昭学長)が文学部教育学科を置く大阪千代田短期大学(大阪府河内長野市)は9月3日、キャンパス内に常設の冒険遊び場「ちよたんパーク」を開設する。子どもが遊びをつくり、やりたいことに挑戦できる冒険遊び場が大学にできるのは全国で初めてといい、地元の園児らに開放していく。(春尾悦子)

 冒険遊び場は「プレーパーク」とも呼ばれ、1943年にデンマークで始まったとされる。既製の遊具がある公園とは異なり、自然や廃材などを使って自由に使ったり壊したりできる環境を整える。日本では70年代に東京都世田谷区で誕生し、NPO法人日本冒険遊び場づくり協会によると、249団体が396カ所で活動している。

ちよたんパークのゲート
ちよたんパークのゲート

 大阪千代田短大は雑木林に道をつくったり、危険な枯れ木を撤去したりした上で、グラウンドの一部を使用して冒険遊び場を整備した。子どもたち自身が遊びを作り出すことに重点を置き、最小限の道具や木材などは準備するものの、自主性に任せる。

 のこぎりや金づちなど本物の工具を使ったり、たき火を行ったりできるほか、森の中の探検も楽しめる。見守るのは大阪千代田短大と高野山大学教育学科の学生や職員らのほか、大阪・千里ニュータウンで活動する子ども関連のNPOのスタッフらが協力する。

 7月2日にオープニングイベントを企画していたが、悪天候が予想されたことなどから9月3日に延期した。

 大阪千代田短大付属幼稚園に子どもたちを招待すると呼び掛けたところ、当初は園児や卒園した小学生を含め約70組の親子から申し込みがあったという。

 今後は年3回ほどイベントを開くほか、河内長野市内の保育園児や幼稚園児ら市民に開放する。問い合わせは大阪千代田短大(0721―52―4141)。

高野山大も歓迎

 過酷な労働環境や保護者への対応を懸念して教員志望の学生は減少傾向にあるといわれる。高野山大学の添田隆昭学長は、教育学科に対するこうした〝逆風〟を指摘した上で、今回の大阪千代田短大の取り組みを「座学では得られない実践的な力を身に付けられる」と歓迎する。

子どもたちの想像力を喚起する「作りかけ」の造形物。元はテニスコートだったが、フェンスで囲み、整備された
子どもたちの想像力を喚起する「作りかけ」の造形物。元はテニスコートだったが、フェンスで囲み、整備された

 「教員養成は、いつしか教員採用試験の予備校と化したように思える。今回のような取り組みを通じた現場で対応する力が、今後ますます必要となるはずだ」

 添田学長は現在、高野山真言宗総本山金剛峯寺(和歌山県高野町)で寺務検校執行法印(じむけんぎょうしぎょうほういん)の重職にある。1年間は山を下りることができないため、教育学科でも教鞭(きょうべん)を執っているが、リモート授業という。

 高野山大学は今春、社会人を対象に新設した密教文化コースが好調な滑り出しを見せている。添田学長は「弘法大師御誕生1250年の記念の年に、隅々にまでお大師様のお導きが及んでいると感じている」と話した。

 

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