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琵琶湖巡り若者支援 NPOが共同クルーズ

2024年1月17日

※文化時報2023年12月8日号の掲載記事です。

 児童虐待防止推進月間(11月)に合わせ、子どもや若者の居場所づくりに取り組む滋賀県内のNPO法人3団体と、琵琶湖汽船株式会社が11月24日、共同でチャリティークルーズを行った。参加者約60人は大型客船ビアンカで琵琶湖を周遊し、アフタヌーンティーやコンサートを楽しんだ。幕あいには活動の展示と物品販売も行われ、参加者らは各団体の取り組みに理解を深めた。

 開催は初めて。チャリティークルーズの呼び掛け人であり、虐待を受けた児童やヤングケアラー=用語解説=を支援する「こどもソーシャルワークセンター」(大津市)の幸重忠孝理事長は「参加者が各団体に関心を持ち、『気負わずできる支援の形』を考える機会を作りたかった」と目的を話した。

(画像:チャリティークルーズに参加した杉山氏、北居氏、幸重忠孝氏(前列左から)。後列は左からめぐみ、平塚有紗、きどよしこ&幸重洋平の各氏)
チャリティークルーズに参加した杉山氏、北居氏、幸重忠孝氏(前列左から)。後列は左からめぐみ、平塚有紗、きどよしこ&幸重洋平の各氏

 児童養護施設=用語解説=を巣立った若者の自立支援を行う「四つ葉のクローバー」(守山市)の杉山真智子理事長は「虐待件数は毎年増えている。本来なら、各学区に一つは子どもの居場所・支援の場が必要。地域に根差したお寺などが協働してくれるとありがたい」と宗教界へ期待を寄せた。

 コンサートでは、イベントに賛同するアーティストのきどよしこ&幸重洋平、めぐみ、平塚有紗の各氏がそれぞれの楽曲を披露。虐待を受けた児童の目線で書かれた歌詞に、涙を浮かべる参加者の姿もあった。

 子ども食堂やコミュニティーカフェで地域のつながりづくりを目指す「Take―Liaison(テイクリエゾン)」(米原市)の北居理恵副理事長は「お互いに存在を知ってはいたが、支援団体間での交流はなかった。今回で終わらせず、毎年継続する活動にしたい」と語った。

(画像アイキャッチ兼用:虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」を船の前で周知する支援者ら)
虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」を船の前で周知する支援者ら

【用語解説】ヤングケアラー

 障害や病気のある家族や高齢の祖父母を介護したり、家事を行ったりする18歳未満の子ども。厚生労働省と文部科学省が2021年4月に公表した全国調査では、中学2年生の5.7%(約17人に1人)、全日制高校2年生の4.1%(約24人に1人)が該当した。埼玉県は20年3月、支援が県の責務と明示した全国初の「ケアラー支援条例」を制定。全国の自治体で同様の条例制定が相次いでいる。

【用語解説】児童養護施設

 虐待などで親と共に生活できない子どもを受け入れる施設。おおむね1歳~18歳が暮らしており、高校卒業後に進学しない場合、18歳で退所を余儀なくされることから「18歳の壁」といわれることもある。こども家庭庁によると、2020年10月1日現在で全国610カ所の施設に2万3008人が入っている。

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