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「老病死を支える」ビハーラ医療団が講義集

2024年8月22日

※文化時報2024年7月26日号の掲載記事です。

 宗教者と医療者が真宗の教えを学んでビハーラ活動=用語解説=を推進する「ビハーラ医療団」(事務局・仁愛大学、福井県越前市)は、昨年9月に開催した研修会「仏教と医療を考える集い」の講義集を刊行した。第21回大会のテーマを元に「老病死を支える―仏教チャプレンの臨床レポート」と題し、5人の発表を収録した。

 ビハーラの提唱者の一人で仁愛大学学長の田代俊孝・真宗大谷派行順寺住職は、1990(平成2)年に開設された「老いと病のための心の相談室」について説明。自身が立ち上げた相談支援を大谷派名古屋別院が取り入れ、相談員養成講座が40期を迎えたことや、相談員が約200人に上っていることを紹介した。

 その上で、相談員が別院の取り組みに奉仕している点に言及。当時願われた開かれた別院としての機能が果たされている点を強調した。

「老病死を支える―仏教チャプレンの臨床レポート」

 そのほか、龍谷大学の田畑正久客員教授が医療者の「燃え尽き症候群」と仏教について、<strong>チャプレン=用語解説=</strong>として医療機関で活動する笠原俊典・大谷派持専寺住職が自身の取り組みについて発表した。

 ビハーラ医療団は98年7月、田代氏と田畑氏、大谷派門徒の内田桂太氏の3氏が呼び掛けて発足した。医療関係者で僧籍を持つ会員らが集う研修会を開催し、併せて講義集を刊行してきた。2015(平成27)年には仏教伝道文化賞沼田奨励賞を受賞した。

 四六判132ページ。1540円(税込み)。問い合わせは自照社(077―507―8209)。第22回大会は9月1日に仁愛大学で開催される。

【用語解説】ビハーラ活動(真宗大谷派など)
 医療・福祉と協働し、人々の苦悩を和らげる仏教徒の活動。生老病死の苦しみや悲しみに寄り添い、全人的なケアを目指す。ビハーラはサンスクリット語で「僧院」「身心の安らぎ」「休息の場所」などの意味。

【用語解説】チャプレン(宗教全般)
 主にキリスト教で、教会以外の施設・団体で心のケアに当たる聖職者。仏教僧侶などほかの宗教者にも使われる。日本では主に病院で活動しており、海外には学校や軍隊などで働く聖職者もいる。

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