2025年3月7日
介護予防や認知症予防、友人づくりなどを目的に、高齢者の方が集まって体操をしたり、カラオケやおしゃべりを楽しんだりする「通いの場」が全国各地に設けられています。こうした通いの場は、公民館や福祉センターといった自治体関連施設や介護事業所、医療機関、大型量販店の空きスペースのように「普段から高齢者にとって身近な場所」で実施されることが多いようです。
しかし、先日開催された高齢者向け介護予防体操教室の会場は、なんと大学のキャンパスの中。それだけでなく、実施するプログラムの考案や実際の司会進行も現役の大学生が担当しました。
参加した高齢者にとっては、孫のような年齢の若い人たちとの触れ合いが楽しかったことはもちろんですが、それよりも刺激になったのは大学の中に入ったことです。大学に通っていた経験のある高齢者にとっては懐かしい思い出がよみがえります。
一方、通っていなかった高齢者にとっては生まれて初めての珍しい体験になりました。
プログラム終了後は学生に連れられて学食を訪れるなど、参加者はつかの間の「キャンパスライフ」を楽しんでいたようです。
大学というとハードルが高く気軽には入れないイメージですが、最近開設されたキャンパスの多くは地域との交流・共生にも力を入れています。フェンスや守衛もなく、近所の人が気軽に散歩やジョギング、ピクニックなどを楽しみ、公園のような役割を果たしていることも珍しくありません。
今回のような取り組みが増えていくことで、これからは大学が「高齢者が気軽に集まれる場所」になるのかもしれません。そのうちに「授業を受けてみたい」なんて声が高齢者から出るかもしれませんね。