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「文化時報」コラム

〈102〉他職種連携が進まない

2025年7月24日

※文化時報2025年4月29日号の掲載記事です。

 前回に引き続き私事で恐縮です。連日還暦を祝っていただき、満60歳の誕生日前後には毎日のように飲み会がありました。こんなにたくさんの皆さんから祝っていただけるとは思っていませんでしたので、びっくりしました。

 福祉仏教の現場から

 飲みながら、あることに気が付きました。「他職種連携」という言葉が叫ばれてはいますが、現場ではなかなか思うように進んでいないように見えます。原因の一つが分かった気がしました。多くの人はシャイだということです。

 連日飲み会が続く中、親しい看護師さんたちが集まってくれた日がありました。懇意にしている薬剤師さんもお誘いしたら「うちの薬局のメンバーも行きたいと言っている」というので「ぜひどうぞ」とワクワク期待していました。

 ところが実際に来てくれたのは、最初にお誘いした薬剤師さんだけでした。理由を聞くと「みんなシャイなので」と言います。「でも今回は、内輪じゃないですか?」と不思議がっていると、「同じ患者さんに接している共通点はありますが、顔を合わせたことがありませんから」ということでした。

 これは在宅医療のことなので、病院の話とは違います。が、私は本当に驚きました。私はそれぞれと親しいし、同じ患者さんを担当しているという共通点もあります。しかし、当の薬剤師さんたちは看護師さんたちを「知らない人たち」と認識していたのです。

 「だったら、なおのこと一緒に飲みましょうよ」と言いましたが、「知っている人ばかりだったらOK」ということでした。

 極端な例を挙げたのかもしれません。でも、私がいくら「看護師さんと飲み会しよう」と提案してもお坊さんたちの反応が冷ややかなのは、こういうことだったのかと気付かされました。「世の中にはシャイな人が多いんだ」と。

 シャイな人が他職種連携していくにはどうしたらいいのか、私には全く分かりません。ただ言えることは、講座でいくら勉強しても実践力は身に付かないということです。私は「まずは飲み会から」と言い続けてきました。少し自信がなくなってきました。

 

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