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「文化時報」コラム

〈28〉エラーとバグの話

2023年4月1日 | 2024年8月5日更新

※文化時報2022年10月7日号の掲載記事です。

 先日、「人前で話をしようとすると、どうしても緊張して話せなくなってしまう。緊張せずに話せる方法を教えてほしい」というご相談をいただきました。

傾聴ーいのちの叫び

 相当に困っておられるのでしょう。自己啓発系のセミナーや会話教室、医者からの薬なども試されたとのことでした。でも、いずれも効果はいまひとつだったそうです。うーん、さもありなん。これは、エラーとバグのお話です。

 パソコンを使っていると、急にフリーズしてしまうことがありませんか。そんなときは再起動すると元に戻ることがありますが、これがエラーです。このエラーには、原因があるはずです。それがプログラミングのミスであるバグ。バグを修正しない限り、エラーは繰り返し起こってきます。

 つまり、この女性の「緊張して話せなくなってしまう」はエラーですね。そしてセミナーや薬は、いうなれば再起動。つまり、その場しのぎの修復に過ぎません。なぜ緊張してしまうのか、なぜ言葉が出なくなってしまうのか。その”なぜ”の底に沈んでいるバグ、つまり自分自身の考え方や捉え方、在り方のプログラミングを書き換えない限り、どんなことをしても「緊張して話せなくなってしまう」というエラーから解放されることはないのです。

 往々にして、私たちは目の前で起こっているエラーに対処することだけに必死になってしまいがちです。もちろん、それは当然ですし、必要です。だって、今、実際に困っているのですもの。取り急ぎなんとかしないといけません。

 でもそれだけでは、モグラたたきゲーム参戦確定です。モグラをたたきながら、ゲーム機本体のスイッチを切ることを考えないと、一生モグラと奮闘することになってしまいます。

 うーん、考え方によっては、それも楽しいかもしれませんね。人生いろいろですから。でも、私はとりあえず、スイッチを探そうと思います。

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