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「文化時報」コラム

㊶「小さき人」に学ぶ

2023年8月3日

※文化時報2023年4月28日号の掲載記事です。

 わが家の「小さき人」が、この春で2歳になりました。表情やしぐさがぐんぐん豊かになっています。動きの方も日増しに活発になり、ちょっと目を離した隙におわんをぶん投げるは、バナナを踏みつけるは、おむつ一丁で飛び出すわで、てんやわんやです。

傾聴ーいのちの叫び

 そんなわけですから、菩薩のように優しい母親(嫁)も、ときには雷を落とします。そのときの「小さき人」の耐えようが、すこぶる面白いんですよ。

 まずは、ぴたりと動きが止まります。その後、数歩ヨロヨロと歩いて、パタリと地面に転がるのです。うつぶせに。われわれは、五体投地と呼んでいます。そうやって10~20秒ほどでしょうか。地面に転がった後、すっくと立ちあがって、何事もなかったように再び動きはじめるのです。

 なんとお見事なストレスコーピング。「触っちゃダメ!」「登っちゃダメ!」「お口に入れちゃダメ!」と、次々に行動を妨げられることによって生じるストレスを、五体投地によって地面に放出しています。ちゃんと自分で浄化しているのです。いやあ、大したもんだ。

 それに比べて、われわれ大人はいけませんね。ストレスを感じると、相手に食ってかかったり、組織をつるし上げたり、社会をののしったり……周りに当たり散らすことでなんとかしようとするんですから。あげく、それが功を奏するのならまだしも、ストレスの上塗りにしかならないときては、間違った方法だと言わざるを得ません。

 さあ、「小さき人」から学びましょう!

 あ、でも、あれですね。大の大人が、あっちでもこっちでも地面に突っ伏して転がっていたら、それはそれで、気味が悪いですね。例えば、ご主人に「ごみくらい出してきてよ!」と言ったらヨロヨロ歩いてパタリと倒れたなんて、救急車騒ぎです。

 「小さき人」の五体投地だから愛らしいのです。成長しきった、いや、すでにしぼみはじめているわれわれは、なにか別の方法でうまくやっていかないといけません。

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