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「文化時報」コラム

㊽困難は「休め」

2023年10月27日

※文化時報2023年8月11日号の掲載記事です。

 年を重ねてまいりますと、心配事は自分のことだけ、というわけにはいかないものです。親のことや、子、孫のことまで、問題が周りに山積み…なんてことも、時にはあるでしょう。

傾聴ーいのちの叫び

 私たちは逆境や困難に出くわしたとき、往々にして「この壁を打ち破っていかなければ!」とか「今が頑張りどころだ!」などと自分に言い聞かせて、真正面から立ち向かってしまいがちです。

 でも、私は、目の前にどーんと立ちふさがる困り事の壁は、仏様からの「今は休みなさい」というメッセージだと思うようにしています。何も頑張って立ち向かうばかりが能じゃありません。

 買い物の途中でゲリラ豪雨に出くわしてしまったら、とりあえずぬれない所に身を寄せてやり過ごしますでしょう? 滝のような雨の中を「今が頑張りどころだ!」なんて強行突破しないじゃないですか。それと一緒です。しばし動かず眺めていればいつか雨がやむように、「諦めて」少しの間その問題から離れていれば、ふと活路が見えてくるものです。時がくるまで、休んで待っていればいいのです。

 とはいえ、これがなかなか難しい。困難な状況に陥っている時は視野が狭くなるせいか、がむしゃらになってしまいがちです。でも、そうやって自分を追い込んでしまえば、状況はさらに悪化するばかり。しかも、少々面倒なことに、「問題を抱えて四苦八苦していること」に、自分の存在理由を見いだしてしまっているような場合もあります。そんなときは、周囲から「休んでいいよ」と言われると余計不安になってしまうのです。

 でも、「苦しい」「つらい」は、「休め!」の号令です。まずは、自分が満たされなければ、周りにいらっしゃる方を満たして差し上げられるわけがないからです。

 「自分に厳しく、人には優しく」はかっこいいかもしれませんが、こちらだって生身なのだということを、忘れずにやってまいりましょう。

 

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