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お寺と福祉の情報局

求人広告に「女性院長なので安心です」

2022年10月12日

 現在、介護の現場で働いている人の約7割が女性と言われています。医療現場では、そこまで高くはありませんが、看護師、医療事務、管理栄養士、薬剤師などは就業者に占める女性の比率が高くなっています。

さまざまな求人広告(イメージ画像)
さまざまな求人広告(イメージ画像)

 このため、介護・医療業界の求人広告には、女性に「応募してみようか」と思ってもらえるようなキャッチコピーが多く用いられます。例えば、「育児中の女性も大勢活躍しています!」などです。

 また「職場内託児所・保育所あり」「子連れ出勤可能」「母子寮あり」「育児休暇制度充実」「時短勤務可能」など、女性が就業しやすい環境・制度の充実ぶりを大きくアピールする広告もあります。もっとも、こうしたコピーは、「育児は女性が行うもの」という意識が世間では強く、実際にほとんどのケースで女性が担っているという事実が反映されたものです。女性の応募を増やすためにこれらの表現が用いられること自体が男女平等という観点からは問題なのですが…

 また、ユニークなものとしては、大きな駅のすぐ近くの高齢者住宅が「夜遅い時間でも人通りの多い場所にあるので、出勤・退勤時も安心です」とアピールしていた例がありました。確かに夜勤のときなどに人けのない山の中などを歩いて通勤することに対して不安を感じる女性もいるでしょうから、効果はありそうです。

 さて、あるクリニックが、看護師・事務職を募集することになりました。職種から考えても女性が対象になると思われます。「何とか女性に響くコピーはないものか…」と考えた末に広告に使われたのが「女性院長なので安心です」。

 女性院長だと一体何が安心なのでしょうか?「同じ女性なので出産や育児、または女性特有の身体現象などに理解があり、相談しやすい」という意味で使ったのかもしれません。しかしこのコピーからは「男性院長はセクハラをする」という先入観しか見て取れません。このコピー、「さすがにあれはないのでは…」と業界内でも話題になっていました。

 

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