2024年9月27日
秋を表す言葉に「食欲の秋」があります。秋は農作物の収穫期であり、おいしいものがたくさん出回ることが由来といわれています。
秋に食欲が増すのは、科学的な理由もあるそうです。
例えば、動物の基礎代謝量は気温が下がると増加します。冬を乗り切るためにたくさん食べてエネルギーを蓄えるのは、生き物としての本能です。
また心身の安定をつかさどる脳内ホルモンは、日照時間が短くなると減少します。このホルモンはタンパク質や糖質を取ることで分泌量が増えますので、心身の安定のために食欲を増やそうという機能が自然に働くといわれています。
このように秋に食欲が増すのは自然なことですし、おいしいものを食べることは心を健康にします。介護職の皆さんが元気に働く上でも重要なことです。
ただし、一方で注意も必要です。
特に今年の夏は猛暑でしたから、毎日冷たいものばかり飲んだり食べたりしていた人も多いのではないでしょうか。冷たいものを消化すると、知らず知らずのうちに胃腸に大きな負担を与えます。
つまり夏の終わりは胃腸に「疲れが蓄積されている状態」といえます。そうしたところに、「秋になったから」と食欲のままにたくさん食べたりしたら、胃腸は対応しきれません。消化不良や胸やけなどの体調不良の原因になります。
それを防ぐには「胃腸を休める期間」を設けることが大切です。間食や寝る前の食事を控える、温かいものを口にするなどで胃腸の機能を回復できます。例えば、さゆは刺激がないため、お茶やコーヒーに比べて胃腸の疲れを取るのに適しているといわれます。
秋においしいものをたくさん食べるためにも、一度「しっかりと休む」ことが大切です。