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お墓を継ぐ人がいない!「墓じまい」の進め方

2024年12月18日 | 2025年1月8日更新

※「株式会社霊園・墓石のヤシロ」による提供記事です。

日本では今、お墓の継承問題が深刻化していますよね。墓主の高齢化により定期的なお墓掃除ができない、遠方にあるお墓の維持管理が負担になっている―など、お墓それぞれに事情はあるでしょう。

 けれどもお墓は誰かが継承しなければ、いずれ無縁墓となり荒廃の道をたどります。また遺言などでお墓を継ぐ「祭祀(さいし)継承者」に指名されると、放棄はできません。

 お墓の継承問題を解消するには「墓じまい」の選択肢があります。一度お墓を継承して墓主になり、お墓を閉じる方法です。

墓じまいの作業
墓じまいの作業

 墓主になることでお墓を閉じる権限を持ちますが、後々のトラブルや悔恨を残さないためにも、家族・親族と話し合い、同意を得た上で進めましょう。

 さらに寺院墓地にお墓が立っている場合、墓地を運営する寺院(菩提寺)のご住職の理解も不可欠です。

 まずは家族・親族、そして菩提寺のご住職に相談をして同意を得ます。その上で墓じまいを進める方法は、下記の手順です。

・必要書類の確認(自治体)
・既存の墓地管理者へ報告
・新しい納骨先を決める
・改葬許可証を取得(自治体)
・閉眼供養(僧侶)
・ご遺骨の取り出し(石材業者)
・墓石の撤去(石材業者)
・墓地を更地にする(石材業者)
・既存墓地の返還
・ご遺骨の納骨

 行政手続き上、墓じまいは「改葬」に当たります。既存のお墓が立つ地域の自治体のホームページなどで必要書類を確認し、墓じまいの許可証に相当する「改葬許可証」を取得しましょう。

墓じまいにはさまざまな手続きが必要とされる
墓じまいにはさまざまな手続きが必要とされる

 改葬許可証を取得するにあたり、一般的には既存の墓地管理者から取得する「埋葬証明書」、新しい納骨先から発行される「受入証明書」が必要です。中には改葬許可申請書に署名・押印をもらうよう求める自治体もあります。

 取り出したご遺骨は「墓地」に納骨・埋葬しなければなりません。墓じまいを進めるにあたり、新しい納骨先は不可欠です。

 お墓の継承を必要としない新しい納骨先として、永代供養墓(合祀墓)・納骨堂・樹木葬などがあります。納骨後もご遺骨を残したいか? 個別の墓標が欲しいか?―など、予算とともに要望も整理して後悔のない選択をしましょう。

 墓じまいを進めるにあたり、墓石の撤去・墓地を更地にする作業は石材業者に依頼します。個人でできなくもないですが、一般的にはご遺骨の取り出しも石材業者に託すといいでしょう。墓石は大変重いので、事故のリスクが伴うためです。

 霊園や墓地では墓石を撤去後、墓地を更地にしてから返還します。お墓購入時には墓地使用料として「永代使用料」を支払いますよね。住宅とは違い、墓地を返還しても永代使用料の一部は戻ってきませんのでご注意ください。

 仏教に倣い供養を行ってきた日本では、墓じまいにあたりお墓から魂を抜く「閉眼供養」を行います。僧侶に依頼して、ご遺骨を取り出す前に行う流れが一般的です。地域や僧侶により異なりますが、一般的にはお布施として約3万~5万円を包みます。

僧侶による「閉眼供養」で魂を抜く
僧侶による「閉眼供養」で魂を抜く

 取り出したご遺骨は間を置くと自宅で保管しなければなりません。その日のうちに納骨式まで手配すると保管場所を確保する必要もなく、スムーズに墓じまいが進むでしょう。閉眼供養と納骨式を同日に済ませるため、スケジュール調整も進めやすいです。

 新しい納骨先として需要が高い永代供養墓(合祀墓)・納骨堂・樹木葬は、納骨後も気軽に参拝できます。墓じまいを終えても、気軽にお参りができるでしょう。

霊園・墓石のヤシロ

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