2026年2月12日
※文化時報2025年12月16日号の掲載記事です。
マルシェをきっかけに死別などのグリーフ(悲嘆)について知ってもらう「おかざきグリーフケアマルシェin本光寺」(実行委員会主催)が6日、愛知県岡崎市の真宗大谷派本光寺(稲前恵文住職)で開かれた。講演やコンサート、子ども・若者向けのワークショップなどが行われ、前回4月の開催時を上回る400人以上が訪れた。(主筆 小野木康雄)
グリーフケアマルシェは、稲前住職と訪問看護師の田中美穂さん、一般社団法人日本グリーフ専門士協会(東京都台東区)が認定する「グリーフ専門士」の熊谷実幸さんらが企画。4月に1回目を開き、300人以上が来場した。
今回は、地元の市立六ツ美中学校の3年生28人と、カトリック系の私立光ヶ丘女子高校エンジェル部の9人がボランティアとして会場を手伝った。また、リップクリームづくりや抹茶体験といった心の安らぐコーナーにも、若い世代の姿が目立った。

境内にはキッチンカーや露店が並び、亡くなった大切な人に手紙を書く場所も設けられた。一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室(京都市下京区)も出展し、障害のある子やひきこもり当事者の「親なきあと」について思いを分かち合う「親あるあいだの語らいカフェ」を開いて、参加者らがよもやま話に花を咲かせた。
稲前住職は「地域を挙げて催すことができ、いろいろな人が集った。やがてグリーフや喪失の体験に直面したとき、相談できることを思いだしてもらえるような場になれば」と話した。来年も開催する予定だ。
今回のおかざきグリーフケアマルシェin本光寺では、本堂と門徒会館の両方で講演が行われ、それぞれ関心のある人が聞きに訪れた。

稲前住職は「つながりを生きる」と題して本堂で法話。「誰もが誰かに支えられ、気付かなくても誰かを支えている」と縁起の思想を分かりやすく説き、「このマルシェでいろいろなつながりを確かめ、ご縁の中で生きていると受け止めてほしい」と語りかけた。
35歳で乳がんになったのを機に、キッチンカー「蟬(せみ)」で減農薬米・無農薬米の塩むすびを販売するようになった安藤梢さん(40)は、門徒会館で登壇。夫や2人の子ども、義理の両親の支えによって闘病の孤独を乗り越えたと振り返った。

がん患者専門のリハビリ施設「club LOHAS」を岡崎市内で立ち上げ、今年7月からはがんに向き合う人を対象にした「がんコミュニティ蟬」を開始したという。
「がんを乗り越えるには、知識と仲間が必要」と痛感したことが原点になったと明かし、「話ができて元気になり、安心して〝第二の人生〟を歩めるような場にしたい。つながり、支え合ってがんを乗り越えられれば」と力を込めた。