検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉仏教ピックアップ > 『文化時報』掲載記事 > たき火のような場に カフェデモンク

つながる

福祉仏教ピックアップ

たき火のような場に カフェデモンク

2023年2月17日

※文化時報2023年1月13日号の掲載記事です。

 傾聴移動喫茶「カフェデモンク=用語解説=」の可能性について考える「第5回カフェデモンクサミット」が昨年12月17日、オンラインで行われた。がん患者や家族のための場づくりを行うNPO法人幸ハウスの川村真妃代表が「フラットにつながり合うカフェデモンク富士・幸カフェ」と題して講演。109人が視聴した。

「カフェデモンク富士・幸カフェ」について発表するメンバーたち
「カフェデモンク富士・幸カフェ」について発表するメンバーたち

 同NPO法人は、がん患者や家族が自分らしい生き方や医療を選ぶサポートをする場として、静岡県富士市で「幸ハウス富士」を運営。月1回、臨床宗教師=用語解説=が加わり、カフェデモンク富士・幸カフェを開いている。

 緩和ケア病棟の医師でもある川村代表は「病気になっても病人にならない社会をつくる」という同NPO法人のミッションを紹介。カフェデモンク富士・幸カフェについて「臨床宗教師が中心にいることで、答えのない問いに向き合う尊い場になっている」と語った。

 携わっているメンバーやサポーターたちも発言した。

 緩和ケア認定看護師で宗教者と共に臨床宗教師研修を受けた大島英子理事は、カフェデモンク富士・幸カフェが「幸ハウス富士の全てのプログラムの基盤になっている」と指摘。臨床宗教師の山下證善氏は「みんなでたき火を囲むように、問わず語りで会話をしている」と伝えた。

 看護師の植竹真理氏は「支えは一方通行ではない」と強調。現地を訪問した浮ヶ谷幸代・相模女子大学名誉教授(文化人類学)は「語り手と聞き手が固定化された関係ではない」と講評した上で、全ての市民を手助けし支援するために組織される地域コミュニティー「コンパッション都市」の縮小版をイメージさせると考察した。

【用語解説】カフェデモンク(宗教全般)

 2011(平成23)年の東日本大震災を機に始まった超宗派の宗教者による傾聴移動喫茶。コーヒーやスイーツを振る舞い、人々の心の声に耳を傾ける。曹洞宗通大寺(宮城県栗原市)の金田諦應住職が考案し、僧侶や修道士を意味する英語のモンク(monk)と文句、悶苦の語呂合わせで命名した。全国の災害被災地や緩和ケア病棟など14カ所に広がっている。

【用語解説】臨床宗教師(りんしょうしゅうきょうし=宗教全般)

 被災者やがん患者らの悲嘆を和らげる宗教者の専門職。布教や勧誘を行わず傾聴を通じて相手の気持ちに寄り添う。2012年に東北大学大学院で養成が始まり、18年に一般社団法人日本臨床宗教師会の認定資格になった。認定者数は21年9月現在で214人。

おすすめ記事

同じカテゴリの最新記事

error: コンテンツは保護されています