2024年2月27日 | 2024年7月8日更新
※文化時報2024年1月19日号の掲載記事です。
浄土真宗本願寺派淨願寺(刀禰法城住職、和歌山県紀の川市)で5日、「寺子屋青少年の集い」が開かれ、中高生7人が参加した。食事をしながら近況報告を行い、与えられた持ち時間でスピーチをするユニークな学び。後半には青年海外協力隊としてケニアで活動した大谷和(のどか)氏が現地の貧困について伝えた。
淨願寺の寺子屋は4年前から開催。日本の子どもたちが苦手とする「思いや意思を伝える力」を養おうと、考えを述べ合う機会を設けるとともに、さまざまな分野で活動するゲストスピーカーの講演を聞く。
子どもたちはこの日、「2023年の振り返り」、「2024年の目標」をテーマに2分間で思いをまとめ発表。刀禰住職は発言内容を掘り下げた質問を行い、それぞれの課題を再認識させるなど気付きを促した。
ゲストスピーカーの大谷氏は「ケニア共和国と私の活動」と題し、貧困を背景とする女性の犯罪や再犯率の高さを指摘した上で、母子が収容される更生保護施設で自身が行ってきた保育や洋裁指導について説明。「正しい教育を受け、手に職をつけることが悪循環を断ち切る」と強調した。
姉妹で参加した帆足美桜(みお)さん(15)、美来(みらい)さん(13)は「学校では学べない話が聞けるのでいつも楽しみ」と目を輝かせた。
刀禰住職は「意思を伝えることの大切さを知った子どもたちは、多くの人に影響を与える大人になる。必然的に日本社会も変わっていく」と語った。