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僧侶は患者と対等 玉置氏「看仏連携」語る

2024年10月12日

※文化時報2024年8月9日号の掲載記事です。

 真宗大谷派の聞法道場「あかんのん安住荘」(三浦紀夫館長、大阪市平野区)は7月23日、一般財団法人安住荘創立50周年の記念講演と位置付け、「いのちを考える座談会」をオンライン併用で開いた。「看仏連携に期待されること~スピリチュアルケア=用語解説=とは」と題し、高野山真言宗の僧侶兼看護師で非営利型一般社団法人「大慈学苑」代表理事の玉置妙憂氏が登壇した。

 安住荘は、篤信の門徒だった故・内山宗一さんが1974(昭和49)年7月に聞法道場を建設したことに始まる。息子の宗之さんが運営を引き継いでからも、毎月聞法会などを開催してきた。

 ただ、後継者がいなかったため、財団は存続の危機にひんした。理事で大阪教区選出の中嶋ひろみ・参議会議員らが、宗議会議員である清史彦・瑞興寺(大阪市平野区)住職に相談。清住職が立ち上げに携わったNPO法人ビハーラ21が運営を引き受けた。来年には建て替え工事を行う予定だ。

 この日の講演で玉置氏は、医療保険や在宅医療を巡る現状を紹介。「かつては食べられるかどうかが生死の分かれ目だったが、医療が発展したことで生と死の境が多様化した」と指摘した。

(画像アイキャッチ兼用:安住荘創立50周年記念講演で登壇した玉置氏=大阪府平野区)
安住荘創立50周年記念講演で登壇した玉置氏=大阪府平野区

 台湾で行われているスピリチュアルケアのモデルケースを示しながら、「患者、家族と対等な関係で向き合える僧侶が存在している。利害関係のある看護師では担えない役割だ」と話し、看仏連携の意義について語った。

 その上で、玉置氏は「科学や医療では答えを出さないといけないが、仏教は分からないことを分からないまま抱えることができる。祈ることに、仏教の底力がある」と力を込めた。

【用語解説】スピリチュアルケア

 人生の不条理や死への恐怖など、命にまつわる根源的な苦痛(スピリチュアルペイン)を和らげるケア。傾聴を基本に行う。緩和ケアなどで重視されている。

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