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「伝福学」連携へ 佛教大学と京くみひもの事業所

2024年11月1日

※文化時報2024年9月3日号の掲載記事です。

 佛教大学社会学部の大谷栄一教授の下で学ぶゼミ生5人が8月25日、西陣織や組みひもを製造する就労継続支援B型事業所=用語解説=の西陣工房(京都市北区)で、「京くみひも」のストラップづくりを体験する地域住民向けのワークショップを開催した。

 「京くみひも」は、生糸のみを使って京都府内で製造された組みひも。平安時代から神具や仏具、よろいかぶとなどに用いられ、現在は和装やアクセサリー向けに作られている。手掛けているのは西陣工房と京都府宇治市の事業所などに限られるという。

(画像アイキャッチ兼用:「京くみひも」の製造を体験する親子=8月25日、西陣工房(京都市北区))
「京くみひも」の製造を体験する親子=8月25日、西陣工房(京都市北区)

 参加した住民らは、学生や施設利用者らの指導を受けながら、色とりどりの撚糸を編んで「京くみひも」をつくったほか、卓球台に転がしたピンポン球を3打以内で相手コートに返す「卓球バレー」で施設利用者と交流した。

 ワークショップを企画した3年の佐藤快さん(20)は「伝統が受け継がれ、地域が活性化するための方法を考えたい」、西陣工房を運営する社会福祉法人京都西陣福祉会の河合隆理事長は「伝統を残すためには、これまでの発想とは異なる活用方法を探ることも大切だ」と語った。

 大谷教授は「西陣工房が『伝福連携』を掲げ、本物の伝統工芸品を製造していることに感銘を受けた。今回を縁として、伝統工芸・福祉・大学の『伝福学』が連携する可能性を考えたい」と語った。

【用語解説】就労継続支援B型事業所

 一般企業で働くことが難しい障害者が、軽作業などを通じた就労の機会や訓練を受けられる福祉事業所。障害者総合支援法に基づいている。工賃が支払われるが、雇用契約を結ばないため、最低賃金は適用されない。

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