検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉あるある > ほっこり万華鏡 > デイを拒否する男性の心を動かした「一本締め」

わかりあう

福祉あるある

デイを拒否する男性の心を動かした「一本締め」

2025年6月18日 | 2025年6月19日更新

 「みんなで歌ったり、体操したりなんて、そんな子どもだましのような場所には行きたくない」などといって、高齢者がデイサービスの利用を嫌がるケースは珍しくありません。

一本締め(イメージ)
一本締(イメージ)

 関東地方にある老人ホームに併設されたデイサービスでも、一人の男性がかたくなに利用を拒んでいました。「ここに通わされるぐらいなら、俺は自ら命を絶つ」とまで言っていたそうですから、穏やかではありません。

 しかし、今ではこの男性がデイサービスに一番乗りするほど喜々として参加しているとか。何が彼をここまで変えたのでしょうか?

 「デイの中で役割を持ってもらうことにしたんですよ」と、この会社の経営者は語ります。

 デイは毎日午後4時まで。最後に利用者とスタッフ全員で「一本締め」をするのが日々のルーティンなのですが、その発声をこの男性にやってもらうようにしたのです。

 昔から飲み会やパーティーでの乾杯や中締めのあいさつは、参加者の中でも社会的地位が高い人などにやってもらうものです。自分がこの役を任されたことで、男性は承認欲求が満たされました。今では「ここのデイは、俺がいないと一日が終わらないだろう」とまで言うようになりました。

 この他にも、このデイと併設の老人ホームでは「体操の時間です。皆さん集合してください」などの館内アナウンスを利用者自身が行うなど、可能な人は何らかの形で運営にタッチしてもらっています。

 「自分は人に助けてもらってばかりの存在ではない。自分も人の役に立っている」とプライドをうまく刺激することで、設備などのハード面やレクリエーションなどのソフト面に突出したものがない介護事業所でも、多くの利用者を集めることが可能になります。

 

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています