2025年9月16日
ある介護事業者では、社長が猫好きなこともあって猫愛好家に向けた介護サービスを提供しています。訪問介護の利用者が入院している間は、飼っている猫の世話をヘルパーが行う―といった具合です。

ペットの世話は介護保険の適用外です。
しかし、この会社が事業を展開しているのは比較的所得が低い人が多い地域ということもあり、サービス利用者の8割以上が生活保護を受けているとか。とてもではありませんが、ペットシッター費用を請求するわけにはいきません。そのため、猫の世話は完全にボランティアで行っているそうです。
これに加えてこの会社では、一部の居室では猫と一緒に住める有料老人ホームを運営しています。そこでは、飼い主が先に亡くなった場合、残された猫の面倒を最期までみています。
こうしたユニークなサービスが評判を呼び、会社の規模も徐々に大きくなっていきました。当然、それに合わせて新たにスタッフが必要になります。
しかし、ここで「猫愛好家向け」という点がネックになってしまいました。キャリアも人柄も申し分なく「ぜひともこの人に働いてほしい」と思った人材が応募してきても、面接の最終段階でこんなやりとりになり、採用に至らなかったことがあったそうです。
「ところで、猫は好きですか?」
「猫ですか? 私、猫アレルギーがありまして…」
そこで、この会社は一計を案じました。会社のホームページを一新し、4匹の猫に「専務」「部長」などと肩書を付け、その猫たちが会社や実際の仕事を案内する、といった体裁にしたのです。
猫を前面に出した結果、「猫が好きなので、ここで働きたい」という応募が増え、以前のようなミスマッチがなくなったそうです。