2022年12月28日
お寺の前にある掲示板に、ぐっと刺さる言葉が張り出してあるのを見つけた経験のある方は、多いと思います。それを表彰しようと始まったのが、仏教伝道協会主催の「輝け!お寺の掲示板大賞」。いまや「流行語大賞」や「今年の漢字」と同様、年末恒例のイベントとなりつつあり、テレビや新聞でも報道されています。
2022年は過去最多の4093作品の中から、龍岸寺(京都市下京区)さまの「武器を捨て 数珠を持とう」が選ばれました。ロシアのウクライナ侵攻を意識した作品で、10歳の少年が書いたことでも話題になりました。
ちなみに「お寺の掲示板大賞」には、当サイトを運営する文化時報社も協賛しており、文化時報賞には円成寺(松江市)さまの「意地の上にも三年」が選ばれました。
受賞作品は、仏教伝道協会のホームページ(https://www.bdk.or.jp/kagayake2022/)でご覧いただけるのですが、今回は4093作品の中から、受賞を逃した作品を中心に、福祉仏教 for believeにふさわしい内容の掲示板を独断と偏見で選んでみました。
「勝手に」としておりますが、仏教伝道協会には許可をいただいています。写真はツイッターから。
来光寺(大分県中津市)さまの作品。利用者さんに自分自身がどう見られているのか、なかなか分からないものです。ひょっとすると、自分で気付かないくせや欠点があるかもしれません。同僚や上司とコミュニケーションを取って、できる限り客観的に見るのがいいかも。
思わずくすっと笑ってしまう宝寿寺(福岡県筑前市)さまの作品。しかしその右には「難がないのは『無難』な人生、難が有るのは『有り難い』人生」との標語が…。困難をありがたがる域まで達すれば、人生もっと豊かに過ごせるのかも。それとも、そういうことは「ばかも休み休み言え」と言われてしまうでしょうか。
高齢者福祉の現場では、別れが付き物です。利用者さんが入院したきり、二度と会えなくなることはよくあります。臨終の場面に立ち合った経験のある方もいるでしょう。死は決して悲しいばかりではありません。そう思わせてくれる優しい言葉といえるのではないでしょうか。明蓮寺(大分県中津市)さまの作品です。
いかがでしたでしょうか。他にもたくさんの掲示板があって、ハッとしたりニヤリとしたり、深くうなずいたりうなったり…と、バラエティーに富んだ言葉が掲げられています。通勤の途中やちょっとしたお出かけの際に、「お寺の掲示板」に注目してみてはどうでしょうか。利用者さんとの話のきっかけになるかもしれません。