2025年1月9日
善とは一言にていえば人格の実現である
――哲学者、西田幾多郎(1870~1945)
西田幾多郎は、近代日本の哲学者であり、京都学派の創始者です。
「西田哲学」と呼ばれる彼の哲学は、一つの学派として確立されるほど独創的なもので、現代日本哲学に大きな影響を与えています。
彼の代表作であり、今回紹介した言葉が記されている『善の研究』では、「生きるとはどういうことか」「善とは何か」「他者とどう関わるか」といった人生の根本にかかわる問題について考察しています。
彼は著作の中で、善の行為について、自己よりも他者に尽くす行為を優先することだと定義しました。そして、日常の中で感じる「直観」を通して真の自己を見いだすことを「人格の実現」と表現し、自己を鍛錬して磨くことが善につながるといいます。
人生に関わる問題は人によってさまざまな見解がありますし、非常に難しいといえます。しかし同時に、善や正しさは、生きていく上で必ず衝突する問題でもあります。
生き方を見つめ直し、積極的に人生について考えることが、よりよい人生を送るきっかけになるでしょう。