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「文化時報」コラム

⑰「死」の記録映画

2023年1月9日

※文化時報2022年4月22日号の掲載記事です。

 先日、ある映画の試写会を行いました。台湾の法師様たちが実践なさっているスピリチュアルケア活動を記録した、ドキュメンタリー映画です。

傾聴ーいのちの叫び

 初めて見た時「この映画を抱えて日本中を行脚しなければ!」と決意するほど感動したのですが、同時に、「果たしてこの映画は今の日本人に受け入れられるのだろうか」という不安も湧き上がりました。

 法師様たちのスピリチュアルケア活動は、まさに死にゆく人の心に寄り添うケアです。中には、「仏様、あと1日でいいから時間をください!」と泣き崩れる患者さんのお姿や、亡くなる1日前のあえぐように呼吸する患者さんのお姿までもが映し出されています。「死」が、あまりにもリアルに記録されているのです。常日頃、死を身近に置くことを好まない日本の方々には、嫌悪感を抱かせてしまうかもしれません。

 おかげさまで試写会は大盛況で、約50人にご覧いただきました。途中、暗闇の中でそっとハンカチを目に当てるお姿があちこちで見られました。

 上映後のアンケートには、「死に向かっている人が先生であること、学ばせていただくことがとてもたくさんあることを本当に実感した」「冷静に観られるだろうかと不安だったのですが、とても静かな気持ちになったことに驚いています。一緒に観たい人がいます」「なんとなく覚悟ができました」と、さまざまなご感想をいただきました。どなたさまの心にも伝わるものがあったと分かり、改めて「行脚するぞ!」と靴ひもを結び直しているところです。

 生きることと死ぬことは、どうにもならないことだらけです。いかなる科学の粋を集めても、人の生き死にだけは、どうにもなりません。その、どうにもならないものを受け入れなければならない苦しみのさなかでも、人知を超越した何かとつながることに活路があると信じています。

『回眸(フェイモウ)』上映会のお問い合わせは大慈学苑(daiji@myouyu.net)まで。

 

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