2023年8月10日 | 2024年10月2日更新
※文化時報2022年12月6日号の掲載記事です。
「渉成園・秋の夜間特別企画」の言葉に釣られて「言葉でふれあう トークフォークダンス」というイベントに参加してきた。40人ほどの参加者が2グループに分かれて、話し手と聞き手を交互にしていく。ペアがどんどん交代していくので、フォークダンスとネーミングしたのだろう。
福祉業界にいると、こういうワークショップはよくある。今回は渉成園という場所と主催者側のスタッフ全員が間衣・輪袈裟(わげさ)姿という雰囲気がユニークだった。参加者はお寺関係ばかりだろうと思っていたら、なんのなんの、1人で来たという若い女性が何人もいた。「お寺でのトークイベント」に引かれるものがあったようだ。われわれ福祉仏教を進める者にはうれしいことだ。
10年ほど前、真宗大谷派岡崎別院で「お見合いパーティー」というイベントがあった。筆者は既婚者なので参加できなかったが、スタッフとしてお手伝いに行った。その時も若い女性がたくさん集まってくださったと記憶している。そこでカップルになった人たちのその後は知らないが、ずいぶんと盛り上がった印象がある。
確かに、お寺は葬式や年忌法要というイメージはある。でも、それだけではなく、出会いや話を聞いてくれる場所として期待されていることは間違いないだろう。その期待にお寺が応えられるかが問題である。
福祉仏教入門講座は第3期が終わった。最終回はケーススタディーである。具体的な場面を想定して「自坊ではどう対応できるか」を検討し合った。
それぞれのお寺にできることは違う。だからこそ「どこまでできるか」を知っておくことは大切である。できないことを背伸びする必要はない。困っている人が相談に来たら、真摯(しんし)に耳を傾けることから始まる。たとえ解決できなくても、一緒に悩むことは重要だろう。
「トークフォークダンス」は本当に素晴らしい企画だったと思う。どこのお寺でも無理なく取り入れることができるだろう。来年4月にある東本願寺の慶讃法要でも実施されるそうなので、興味ある方は参加してみてはいかがだろうか。