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「文化時報」コラム

〈55〉団体参拝と車椅子

2023年11月27日

※文化時報2023年4月25日号の掲載記事です。

 浄土真宗各宗派の本山では、親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃(きょうさん)法要が営まれている。先日筆者も東本願寺に参拝してきた。全国各地から大型バスが集まってきて山門前にずらりと並んでいた。コロナ前の風景が戻ってきてうれしくなった。

 団体参拝は高齢者がたくさんいる。最近はライブ中継もあるが、やはり京都まで来てこその値打ちもあるだろう。御影堂(ごえいどう)前に大きなスロープが設置されてはいるが、足腰の弱くなった高齢者には参拝への障壁はたくさんある。

 筆者が参加した一行も大半が高齢者で、杖(つえ)をついている人も少なくなかった。中には90代の人もいて、お寺から積み込んだ車椅子をいつでも使えるよう携行していたが、一度も使う場面はなかった。

 バスの駐車位置から御影堂まで少し遠かったものの、その人なりに「自分だけ」が嫌だったのかもしれない。周りのご門徒さんに支えられながら一緒に歩き通した。

 読者諸氏は車椅子を押したことがおありだろうか?経験のない人は一度試してみるといいだろう。少しコツがいる。砂利道や石畳は進むのが困難である。階段はもちろん無理だし、ほんの少しの段差でも慣れないと難しい。緩やかでも下り坂なら後ろ向きにならないと危険だ。人ごみでは周りの人にぶつけないように気配りしないといけない。自分の足で歩くには気にも留まらない障害がたくさんある。

 車椅子での外出は、何よりトイレが困る。多目的トイレは数が少ない上に使用中であったり、並んでいたりする。当たり前だが、押している方はつらい。乗っている方はもっとつらいのかもしれないが。

 何十年かに1度の慶讃法要なので、希望する人はできるだけお参りしてほしい。でも、たくさんの人が集まる上に、本山はまだまだ「バリア」がたくさんあり、高齢者や障がい者の参拝を難しくしている。プロの介護者に同行してもらわなくても、お寺の関係者やご門徒さんだけで車椅子の人にお参りしてもらえるようにはしておきたいと思った。

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