2025年6月24日
一般社団法人「親なきあと」相談室関西ネットワーク(藤原由親・藤井奈緒代表理事)は2月26日、大阪市立青少年センター(大阪市東淀川区)で第48回セミナーを開き、同ネットワーク相談員で行政書士の瀬崎昌彦さんが「受援力」をテーマに講演した。
受援力は「困難な状況において他者に助けを求める能力」のこと。内閣府防災担当が2010(平成22)年に初めて提唱し、翌11年の東日本大震災を機に知られるようになった。
瀬崎さんは、受援力には助けを求める力と、遠慮せず助けを受け入れる力があると説明。助け合いの文化が薄れつつあり、特に男性は助けを求めることに抵抗感を持つ傾向があると強調した。
一方で助けを求めたり受け入れたりすることは、孤立感の減少や迅速な問題解決、新たな視点やスキルの学びにつながると指摘。「頼ることは決して悪いことではない。弱さではなく、むしろ強さの表れであると認識することが重要」と呼び掛けた。
その上で、「頼り上手」になるためには、自分の限界を意識する▽明確で具体的なリクエストをする▽感謝の気持ちを伝える―の3点が必要だと分析。自分から頼る経験を積み、「頼られ上手」になることも大事で、そうすれば「持ちつ持たれつ」の信頼関係を築けると語った。
また、日本の福祉制度は申請主義を取っているため、自分から行政に言わないと支援を受けられないことにも言及。まずは地域のNPO法人やボランティア団体を積極活用し、少しずつ頼っていくようアドバイスした。