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お寺と福祉の情報局

「医療職が偉い」と思う人たちの困った言動

2022年12月1日

 「医療」「介護」。この二つの言葉は、併記されることが多いですし、最近はこの業界で働く人を「エッセンシャルワーカー」と総称することも増えています。しかし、世間では「医療職は介護職よりも立場が上」と勘違いしている人も少なくありません。また、残念なことに、そうした振る舞いをする医療関係者も見受けられます。

「自分は偉い」と勘違いする医療職もいる(イメージ画像)
「自分は偉い」と勘違いする医療職もいる(イメージ画像)

 ある自治体では、地域包括ケアシステム=用語解説=の推進のため、地域の医療・介護・福祉の課題や解決策を話し合う多職種連携会議が定期的に開催されています。参加者は医師、看護師、介護福祉士、ケアマネジャー、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、民生委員など、それぞれに専門的な知見に富む人たちばかりです。

 しかし、この会議には「まず医師から発言する」という妙なルールがあります。他の参加者は、医師の話が終わるまでは発言できません。また、冒頭の医師の発言内容によって、その日の話し合いのテーマや方向性が決まってしまうこともあります。他の参加者が重要な議題を用意していても、それを話題に出せないこともあるとか。本人も、周囲も「医師が一番偉い」と思い込んでしまっている困った事例です。

 時には、その医師をも上回る力を持つことがあるのが「高齢者施設の看護師」だとか。「看護師常駐」の施設にとって、看護師は辞められたら困る存在。機嫌を損ねないようにと腫れ物に触るように扱った結果、自分は偉いと勘違いして「暴走」してしまう人もいるようです。

 施設を訪問した医師が、処方した薬を入居者が全く飲んでいないことに気付きました。

 「○○さん。どうして薬を飲まなかったのですか?」
 「看護師さんが『そんな薬、飲まなくてもいい』と言ったので…」

【用語解説】地域包括ケアシステム

 誰もが住み慣れた地域で自分らしく最期まで暮らせる社会を目指し、厚生労働省が提唱している仕組み。医療機関と介護施設、自治会などが連携し、予防や生活支援を含めて一体的に高齢者を支える。団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに実現を図っている。

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