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お寺と福祉の情報局

逆では?入居者が看護師の安否確認

2023年1月10日

 以前、このコラムで80代の現役ヘルパーのことを書きましたが、高齢者介護の現場では、ほかにもシニアの方が数多く働いています。

見守っているのは、実は入居者たちだった⁉(イメージ画像)
見守っているのは、実は入居者たちだった⁉(イメージ画像)

 都内のある有料老人ホームに、80代の看護師がいます。このホームは「自社雇用の看護師常駐」を大きなセールスポイントにしていました。しかしある時、出産や体調不良などで退職・休職が重なり、看護師が足りなくなってしまいました。このままだと「看護師常駐」の看板を下ろさなくてはなりません。

 「どこかに看護師はいないか…」と頭を抱える社長に、スタッフの1人が言いました。「うちの祖母は、昔は病院勤務の看護師でした。現場を退いて40年になりますけど」

 「何とかうちで働いてもらえないか?看護師資格があれば誰でもいい。『看護師常駐』をやめるわけにはいかない」

こうしたやり取りの結果、80代の超ベテラン看護師が働くことになりました。

しかし、年齢が年齢だけに、何も看護師の仕事ができません。日がな一日、ロビーや食堂の椅子に座ってうつらうつらしているだけです。

 これだけ聞くと、入居者の安心・安全を軽視したとんでもないホーム、ということになりますが、実はこの看護師の存在で、ホームの雰囲気が大きく変わりました。「新しく入ってきた看護師の体調に問題がないか確認する」ことが入居者たちの役目になったのです。

 誰が言い出したわけでもなく、入居者の多くが「○○さん(看護師の名前)、今日の体調はどう?」と話し掛け、定期的に様子を見に来るようになりました。こうして「見守る相手」と「仕事」ができたことで、言動が活発になったそうです。結果として、看護師の世話になる回数は、以前より減ったということです。

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