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お寺と福祉の情報局

「住まいの終活」考えよう 親なきあとセミナー

2023年12月31日

 障害のある人の親やきょうだいなど親族の立場にある専門家たちでつくる一般社団法人「親なきあと」相談室関西ネットワーク(藤原由親・藤井奈緒代表理事)は11月19日、大阪市立青少年センター(大阪市東淀川区)で第35回セミナーをオンライン併用で開いた。宅地建物取引士で相続診断士の神元明人さん(55)=兵庫県宝塚市=が「住まいの終活」をテーマに講演。会場で約20人が聴講した。

 神元さんは18歳の三女に障害がある。自身は不動産会社に勤務する傍ら、一般社団法人みんなの相続窓口社員として、障害のある子の面倒を見られなくなる「親なきあと」の相談に乗っている。

セミナーで講演する神元さん
セミナーで講演する神元さん

 セミナーで神元さんは、障害のある子に不動産を残す際、住み慣れた自宅で過ごせることや、住まいの確保によって支出を抑えられるといったメリットがあると強調。一方で、維持管理やリフォームなどに手間や費用がかかるため、「十分な意思能力がないと、悪徳業者にだまされる恐れもある」と警鐘を鳴らした。

 「障害基礎年金だけでは健康で文化的な最低限度の生活は送れない」とも指摘し、生活保護を受給する際に自宅不動産の売却を求められることが往々にしてあることに触れた。

 お金を受け取った上で自宅に住み続ける方法としては、自宅を不動産会社などに売却してから賃貸借契約を結び、そのまま賃貸住宅として住む「リースバック」や、自宅を担保にして融資を受け、亡くなった後に売却して一括返済する「リバースモーゲージ」といった仕組みがあると紹介した。

 一方で、これらは不動産会社がもうかる仕組みになっているとして「最終手段として考えた方がいい」とも語った。

「住まいの終活」をテーマに行われ、約20人が聴き入った
「住まいの終活」をテーマに行われ、約20人が聴き入った

 さらに、「親なきあと」への備えとして、自宅不動産の状況を相続人や支援者に分かるようにしておくため、「家の終活ノート」を作成するよう提案。所在地に加えて地番や建物番号を記しておくこと、権利証、敷地の境界線が分かる測量図や写真などの資料を残しておくことなどが望ましいと説いた。

 また、「思いも資産価値である」と強調。「なぜこの家を購入したのかといった思いを引き継げば、仲介業者は購入する方に話ができて、安心してもらえる」と伝えた。

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