2024年5月10日
介護職の皆さんの中には、この4月から新しい職場に移るなど、新しい上司・同僚と働き始めた人もいることでしょう。また、家族が就職、進学、進級などで新生活を始めている人も多いかと思います。
さて、そうした新生活を始めて1カ月ほどたった頃に「体がだるい」「やる気が出ない」「何となく不安を感じる」などの不調を感じる人が、以前より見受けられるようになりました。一般的に症状の現れる時期から「五月病」と呼んでいます。
五月病の原因については、「慣れない生活による緊張感から、少し解放されたことによる気の緩み」などとされることもありました。また、5月の初めには大型連休があるため、そこでの遊び疲れなどが原因とする見方もありました。
ですから職場では、ボーッとしている新入社員に上司が「五月病か! たるんでるぞ!」「まだ学生気分が抜けていないんじゃないのか」などと叱責(しっせき)する光景も珍しくありませんでした。
しかし、本当に五月病は「気の緩み」からくるものなのでしょうか?
一般的に五月病といわれる症状は、医学的には「適応障害」と診断されることが多いです。つまり、職場や学校など環境の変化に対するストレスにより、心身のバランスが崩れてしまっているのです。
これが深刻な状態になると「うつ病」と診断されます。五月病とは、心療内科医など専門医の診断を受けて、睡眠をはじめとする生活習慣の改善や投薬などによる治療を行う必要がある病気なのです。
五月病については、本人も「気の緩み」「怠け」などと言われるのが嫌で、不調を言い出せずに我慢をしているケースもあります。職場や家族など周囲の人が、ちょっとした言動の変化に気付き、医師の診察を受けさせるなどの適切な対応をとることが大切といえるでしょう。