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遠隔操作で就労可能 分身ロボOriHimeの実力は

2024年2月7日

※文化時報2024年1月12日号の掲載記事です。

 龍谷大学の第6回「共生のキャンパスづくりシンポジウム」で登壇者が用いた分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」は昨年12月6~20日、京都信用金庫の交流施設QUESTION(京都市中京区)に登場した。分身ロボを開発したオリィ研究所による期間限定のキャラバンカフェで、担当者は「誰もが社会参画できるツールであると周知したい」と狙いを話した。(大橋学修)

 記者が実際にカフェに入ると、受付カウンターに高さ20センチほどの「OriHime」が置かれてあった。シンポジウムに登壇した増田優花さんが奈良県の自宅から遠隔操作し、予約を確認した上で、電子マネーで料金を支払うよう誘導してくれた。

(画像①:アイキャッチ兼用:加藤千明さんが遠隔操作する分身ロボット。来店者と会話した)
加藤千明さんが遠隔操作する分身ロボット。来店者と会話した

 案内されたテーブルにもOriHimeが。今度は、三重県の加藤千明さんが操縦し、首をかしげたり、両手で頭を抱えたりしながらメニューを説明。アイスコーヒーを注文した。

 飲み物は、安達桂子さんが身長約120センチの分身ロボット「OriHime-D(オリヒメ・ディー)」を使って届けてくれた。テーブルから離れるときは、卓上にある加藤さんの操縦する「OriHime」と互いに手を振り合った。

 加藤さんは、原因不明の難病で、自宅では電動車いすで生活しているという。学生のころ、友人がカフェでアルバイトをしていたのがうらやましかったと語り、「最初からカフェで働くという選択肢はなかったが、分身ロボで願いがかなった」と喜んだ。

 また「寝たきりになっても、外で働ける未来がある。このテクノロジーを使って、社会参画できるし、会いたい人にも会える。ひとりぼっちにならない」と話した。

(画像②:注文した飲み物も分身ロボットが運ぶ)
注文した飲み物も分身ロボットが運ぶ

 オリィ研究所は、障害や難病などで外出が困難な人が、社会参画できる仕組みづくりを進めている。労働や対話を可能にする分身ロボットのほか、視線で文字を入力し、合成音声で話すことができる意思伝達装置を開発。テレワーク就労に強みを持つ障害者人材と企業をマッチングするサービスも行っている。

 「OriHime」は、事業者向けに販売やレンタルを行っており、オリィ研究所コラボレーション事業部の豊津啓哉さんは「企業が分身ロボットを所有することで、事業所内で障害のある人や難病の人が働ける環境をつくってほしい」と話す。

 料金は、本体購入費と利用料で構成しており、永年利用の場合は総額72万2千円(税別、以下同じ)。最初に39万8千円で本体を購入した上で、月々7千~1万4千円の利用料を支払うプランもある。イベント向けに2週間レンタルするプランは1回4万円。

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