2024年3月21日 | 2024年7月9日更新
※文化時報2024年2月16日号の掲載記事です。
障害のある子やひきこもりの子の「親なきあと」について語り合おうと、大阪市天王寺区の浄土宗銀山寺(末髙隆玄住職)は7日、境内の無礙(むげ)会館で「親あるあいだの語らいカフェ」と、宗が普及に努める介護者カフェ=用語解説=を同時開催した。同寺でのカフェの同時開催は2回目。支援者と参加者計16人が「ミニらいとモルック」で遊び、会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれた。
モルックは、木の棒を投げて、数字が書かれた木の棒を倒して点を取っていくフィンランド発祥のゲーム。今回使われた「ミニらいとモルック」は小さく軽いため、誰でも簡単に投げられるのが特長だ。今回は、通称「モルックおじさん」として活動するファイナンシャルプランナー、奈須誠二さん(60)が講師を務めた。
参加者は、地元の社会福祉協議会の職員や民生委員、ダウン症の息子を持つ親など。末髙住職も交ざり、全員がチーム対抗で「ミニらいとモルック」を楽しんだ。白熱した試合の後には机を囲み、それぞれが思いを語り合った。定刻を過ぎても話し足りずに残る人の姿も見られた。
発達障害の孫がおり、今回初めて参加したという堺市の梅原順子さん(71)は「自分が介護されることや、成年後見制度について話ができた。モルックが楽しかった」と笑顔を見せた。
末髙住職は「多くの方が参加し、盛り上がってくれた。今後は障害のある本人も来ていただき、ぼちぼち一緒にやっていけたら」と話していた。次回の銀山寺での語らいカフェは4月3日午後2~4時。今後もさまざまなイベントの開催を予定している。
【用語解説】介護者カフェ
在宅介護の介護者(ケアラー)らが集まり、悩みや疑問を自由に語り合うことで、分かち合いや情報交換をする場。「ケアラーズカフェ」とも呼ばれる。主にNPO法人や自治体などが行っているが、浄土宗もお寺での開催に取り組んでいる。孤立を防ぐ活動として注目される。