2024年8月19日
※文化時報2024年6月11日号の掲載記事です。
障害のある子やひきこもりの子の面倒を親が見られなくなったときに備える「親なきあと」をテーマにした「親あるあいだの語らいカフェ」が、開催開始から3年目に入った。京都市南区の真言宗泉涌寺派城興寺(上原慎勢住職)で2日、9回目の語らいカフェが開催され、障害のある当事者や家族、地域住民ら25人がよもやま話に花を咲かせた。
語らいカフェは、文化時報社が設立した一般財団法人「お寺と教会の親なきあと相談室」(小野木康雄代表理事)の関連事業。2022年6月に初めて城興寺で開かれ、全国に広がった。現在は17カ寺が財団の支部を構えており、うち13カ寺が開催している。
城興寺では普段と同様、看護師のボランティア団体「One Nurse」(ワンナース)が「ふぁみりーあったか保健室」を同時開催したほか、計画相談支援=用語解説=を行う株式会社small farms(大阪府枚方市)の熊谷宏社長による焼き芋の移動販売「おいものわ」が試食を提供。化学合成農薬・化学合成肥料を使わず育てられた「紅はるか」の冷やし焼き芋や、新潟県村上市の名勝・笹川流れの天然海水塩を使って蒸し焼きにした「金時」を、参加者らに振る舞った。
参加者らは、お茶と焼き芋を味わいながらにぎやかに談笑したり、本堂や和室で僧侶とじっくり語り合ったり、親なきあとの具体的な相談をしたりしながら、日曜の昼下がりを思い思いに過ごしていた。次回は9月1日午後2~4時に開かれる。
【用語解説】計画相談支援
障害者が福祉サービスを受けられるようにするための支援。相談を受けたり関係機関と調整したりして、市町村に届け出る「サービス等利用計画」を作成する。計画が適切かどうかを検証し、見直すことなどもサポートする。