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福祉あるある

グループホームの前にある「バスが来ないバス停」

2023年12月2日

 高齢者住宅で働くスタッフの悩みの一つが「利用者の『帰宅願望』にどう対応するか」ではないでしょうか。

 

バス停(イメージ画像)
バス停(イメージ画像)

 単に、長年住み慣れた自宅を離れたことが寂しくて「家に帰りたい」という場合は、高齢者住宅での生活に慣れるにしたがって薄れていくことが多いようです。それに対して、認知症が原因で「もうすぐ息子が学校から帰って来るので、夕飯の支度をしないと…」などと言い出す帰宅願望を解消するのは非常に困難です。毎日毎日、気を紛らわせたりなだめすかしたりと、悪戦苦闘している高齢者住宅も多いかと思います。

 愛知県のある認知症グループホームの前には、地元のバス会社から譲ってもらった本物のバス停が置いてあります。もちろん、そこにバスはやって来ません。しかし、そこのベンチに利用者が腰をかけて「バスを待っている」だけでも帰宅願望の軽減・解消に効果があるそうです。

 「バス、なかなか来ないですね。寒くなってきたので部屋で待っていましょうか」などと、スタッフが入居者に優しく声を掛けている光景が目に浮かびます。この「バスが来ないバス停」の取り組みは、この会社が運営する他のグループホームにも広がり、今では8カ所もあるとのことです。
 
 人口減や運転手不足などが原因で、地方を中心に廃止されるバス路線が近年急速に増えています。撤去されて、使い道がなくなったバス停が倉庫に眠っているバス会社も少なくないかと思われます。それを効果的に活用することで、地域課題の解決につながります。同じような悩みを抱えている高齢者住宅は、一度地元のバス会社に相談してみてはいかがでしょうか。

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