2024年6月27日
合唱したり、カラオケをしたり、曲に合わせて体を動かしたりと、高齢者施設のレクリエーションでは音楽がさまざまな形で使われています。「普段はなかなか参加したがらないが、音楽レクのときだけは別」といった人も多いようです。
それだけに、どこの施設も使う楽曲を工夫したり、身近にあるもので楽器を作ったりと、皆が楽しめて、介護予防や認知症予防、リハビリテーションなどにつながるプログラムづくりに力を入れています。
さて、そうしたユニークで優れた音楽レクの事例(映像)を全国から募り、表彰するコンテストが毎年開催されています。昨年のコンテストに応募した大阪府内のデイサービスでは、転倒予防が目的のオリジナル下肢強化体操に約20年間取り組んでおり、この体操を音楽に合わせて行う様子を撮影することになりました。
その際に考えたのが、審査ポイントの一つである「独創性」をいかに高めるか。高齢者施設の音楽レクでは唱歌や演歌が使われることが一般的ですが、それでは応募作品の中で目立つことはできません。
「なるべく他の応募者が使わず、なおかつ高齢者でも踊れそうなリズムの曲は何か…」と考えた結果たどりついたのは、何とマイケル・ジャクソンの曲。「スリラー」など3曲に合わせて高齢者が踊る姿に、審査員からも驚きの声が上がったそうです。
また、子どもや孫たちから「マイケル・ジャクソンを踊るなんてすごい」と尊敬されたことなどから、参加者の自己肯定感が大きくアップしたといった効果も見られました。
作戦が功を奏し、見事このデイサービスは最優秀賞に輝きました。今年も応募予定だそうですが、楽曲はアン・ルイスでいくとのことです。