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福祉あるある

人間関係のトラブルを大歓迎する施設 なぜ?

2024年1月20日

 「私、あの人嫌い。食事のときは離れたテーブルにしてほしい」

 高齢者施設では、入居者からこうした要望が寄せられることが珍しくありません。それまで全くの他人として80年以上も別々に生活をしていた人たちが、ひとつ屋根の下で24時間365日一緒に過ごすのですから、性格や生活習慣の違いなどから人間関係のトラブルが生まれるのは仕方がない面もあります。

人間関係のトラブル(イメージ)
人間関係のトラブル(イメージ)

 人間関係のトラブルの理由はさまざまです。「言動が尊大・粗暴」「イベントやレクリエーションのときに勝手に仕切る」「カラオケのときに自分が歌いたい曲を先に歌う」などなど…。中には異性入居者を巡っての三角関係、かつてライバル企業同士に勤めていた、政治に対する考え方の違い、などもあります。

 特に自立した人が住む高級高齢者住宅では、入居者がしっかりとした意思表示をすることが多いため「あの人の服装はセンスが悪い。ホームのイメージが悪くなるので注意してほしい」など、対応に困る人間関係のクレームが持ち込まれることもあるそうです。

 さて、一般的に施設はこうしたトラブルをできる限り避けたがります。しかし、ある施設では「ついに、うちにも人間関係のトラブルが持ち込まれた」と喜びました。

 この施設は、入居率低迷が長期間続いていました。入居者が少なければ、トラブルも少ないものです。人間関係のトラブルは、入居者が増えて多様化が進んだからこそ起こるものです。

 「やっと一般社会と同じような人間関係が生まれた」と考えたこの施設。いじめや暴力行為などの深刻なケースに発展しない限り、「人間関係のトラブルは、コミュニティーにおけるエッセンスの一つ」として、積極的に介入しない姿勢を取っています。

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