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福祉あるある

最高級ホームを「退去したい」 その驚きの理由

2022年10月2日

 「日本で一番高級な老人ホームに入居したい」

 高齢者住宅入居相談会社で、来店客の男性は開口一番こう希望しました。

高級老人ホームを退去(イメージ画像)
高級老人ホームを退去(イメージ画像)

 この男性は、北関東で農業を営んでいましたが、自分の土地に高速道路が通ったことで大きなお金を手にしたそうです。

 「これまで特にぜいたくもせずに生活してきた。お金も手に入り、あくせく働く必要もなくなった。人生の最後ぐらいゆっくり過ごしたい」と語る男性に、入居相談会社は、都内の高級住宅地に立つ入居一時金1億円超の有料老人ホームを紹介しました。

 入居して一週間後、その男性から入居相談会社に「退去したい」と電話がありました。

 「何か、ご不満がありましたか。そのホームは建物も食事もアクティビティーも素晴らしく、非常に評判がいいのですが…」。思わぬ申し出に戸惑う入居相談会社に、男性は「確かにそれは申し分ない。でもね、合わないんだよね。このホーム」と語りました。

 最高級だけあって、ホームの入居者は、元企業経営者や開業医、大学教授、弁護士などが中心。日頃の会話は、日本経済がどうとか、パリのレストランはどこがおいしいか、ワインは…といったことばかり。趣味は競馬で飲むときは焼酎ともつ煮とがあれば満足、というこの男性とは会話が全くかみ合わず、孤独感が増すばかりでした。

 「それに、何よりも合わないのが、スタッフが俺を○○様と呼ぶこと。そんな呼ばれ方を一度もされたことがないので、恥ずかしいし、くつろげない」

 そこで、入居相談会社では手頃な価格のホームを改めて紹介しました。スタッフが「○○さん、駄目だよ、そんなことしちゃ!」とざっくばらんに話す雰囲気のホームですが、庶民的なこの男性にはぴったりのようで、毎日楽しく過ごしているそうです。

 

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