2025年4月2日
さまざまな対話の中で、最も重要でありながらなおざりにされるのは、自分との対話である。
――政治家・軍人、アクセル・グスタフソン・オクセンシェルナ(1583~1654)
スウェーデンを大国へと導いた名宰相、アクセル・オクセンシェルナ。彼がのこした言葉をご紹介します。
皆さんの中にも、仕事柄、さまざまな人の話を聴く機会のある方がいることでしょう。家族や友人との間でも、悩みを聴く側になることが多い方もいるかもしれません。
現代社会において、傾聴のスキルを持った人材は不可欠です。経済や情報の格差が広がる中、他者の不安に共感することの難易度も上がっています。相手の話をじっくり聴くことのできる人は、それだけで価値があるのです。
しかし、傾聴する側の話を聴いてくれる人はいるのでしょうか? 他者の苦しみを聴いてばかりで、自分の心をすり減らしてしまう方もいるのではないでしょうか?
他者から寄りかかられるばかりでは、いずれ支えきれずに共倒れになってしまうかもしれません。
忙しい毎日では、ついつい自分のことを後回しにしてしまいがちです。しかし、自らの変化に一番気付けないのは自分です。不調に気付いたときには、すでに生活の中でさまざまな悪影響が生じてしまっているでしょう。
「まだ自分は大丈夫」と思えるうちに、心を休められる避難所をつくってみてください。
自己中心的に振る舞って他者に目を向けないことも問題ですが、相手を思いやるあまり、自らをないがしろにしてしまっては本末転倒です。
自分も、社会の中で尊重されるべき個人なのです。