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お寺と福祉の情報局

グループホーム 入居前に知っておきたいこと

2023年6月25日

 障害者の親やきょうだいなど親族の立場にある専門家たちでつくる一般社団法人「親なきあと」相談室関西ネットワーク(藤原由親・藤井奈緒代表理事)は5月25日、大阪市立青少年センター(大阪市東淀川区)で定例のセミナーを開いた。「地域福祉の受け皿としてグループホームで当たり前の生活を提供する」と題して、合同会社HOP(大阪府富田林市)の代表社員、横山大地さんが講演した。

 合同会社HOPは、富田林市内で定員3人と2人の障害者グループホーム2施設を運営している。住まいを巡る問題は障害者家族の関心が高く、この日は約20人が聴講した。

 横山さんは「生活全般をサポートするのがグループホーム」と指摘。入浴や金銭管理、一人暮らしに向けた準備など、利用者の状況に合わせて支援をしていると紹介した。

 入居前には、本人と家族の生活状況や生い立ちを知るために聞き取りや面談を重ねるといい、「家族がどういうサポートをしているかは、自分たちも引き継がなければならない」と語った。あらかじめ体験入居のサービスを利用することで、スタッフや他の入居者との相性が分かるほか、国から家賃補助が受けられる場合があるとも説明した。

 「どんなグループホームが理想か」という話題では、「選択と失敗と成功体験ができ、いかに当たり前の生活に近づけるサポートをしてくれるかが重要」と強調。管理や制限だけでなく、自由が保障されているか、支援者だけが決めるのでなく本人が選択できるか―などのポイントを挙げた。

 親が子どもの世話をできなくなる「親なきあと」に向けては、「寝泊まりの経験を積んでもらい、支援者に慣れることが大事」と指摘し、いろいろなグループホームを見学にいくことを勧めた。また、失敗を積み重ねて対処の仕方を構築すること、子離れ・親離れの覚悟を持つことの大切さも唱えた。

 最後に「障害はあくまで生きづらさ。本人も家族も『障害があるからできない』ではなく『生きづらさを解消すればできる』という意識を持とう」と呼び掛けた。

 質疑応答では、グループホームに入居するタイミングや、自宅と地域で不自由なく過ごす子どもを入居させることがいいのかどうかについて、活発な意見が交わされた。

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