2023年11月14日
今年9月、通所サービスの送迎車が事業所の敷地内で利用者など3人を死傷させてしまうという痛ましい事故がありました。介護事業所で働く人の中には車の運転が苦手なのに、送迎や訪問、通院同行などで車を使わなくてはいけないケースもあると思います。そこで今回は、「送迎時の事故防止のポイント」を紹介します。
送迎時は時間に追われていることもあり、とかく「運転の基本動作・手順」をおろそかにしてしまいがちです。例えば、車を離れる際は「サイドブレーキをかけ、エンジンを切る」のが原則ですが、時間節約のためでしょうか、エンジンをかけたまま利用者を乗降させている場面を目にします。
これは大変危険な行動です。特にオートマチック車の場合、シフトをDに入れたままですと、何らかの理由でサイドブレーキが解除されたときに車が暴走してしまいます。また、運転手が乗降する際にうっかりアクセルを踏んでしまうかもしれません。これも暴走を引き起こす原因になります。エンジンは必ず切りましょう。
また、車から降りた利用者が、事業所や自宅に入るまでの間に、車の前で待っていることがありますが、これだと何らかの理由で車が動き出した際にはねられる可能性があります。
特に、道路脇に車を止めている場合には、後方から車が追突し、車の前にいる利用者が玉突きではねられる危険性があります。利用者を待機させる場合は、車の横側など、万一車が動いたとしてもぶつかる可能性が低い場所にいてもらいましょう。
いずれにせよ「基本に忠実」な運転に、ちょっとした気付きや心遣いを加えることで、送迎時の安全性は大きく向上します。できることから実践していきましょう。