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ボランティア情報誌でお寺特集 福祉活動に着目

2023年12月24日

※文化時報2023年11月14日号の掲載記事です。

 京都市社会福祉協議会が運営する中間支援組織=用語解説=の京都市福祉ボランティアセンター(田中聖所長)が、活動したい人と活動してほしい団体をつなぐ月刊情報誌「ボランティアーズ京都」11月号で「お寺が取り組む福祉活動」と題する特集記事を掲載した。昔ながらのつながりや縁を生かすお寺の長所に着目した企画で、市内3カ寺をピックアップ。関係者の注目を集めている。(主筆 小野木康雄)

 ボランティアーズ京都は、今号で通算228号を数える創刊約20年のフリーペーパー。ボランティア活動の啓発と推進を目的に約1万部発行し、区役所や図書館、大学などで配布している。誌面は同センターのホームページ(http://v.hitomachi-kyoto.jp/)でも公開している。

 11月号の特集「お寺が取り組む福祉活動」で取り上げた3カ寺は、介護者カフェ=用語解説=を開いている浄土宗金剛寺(東山区)と寺子屋活動を行う本門法華宗大本山妙蓮寺塔頭(たっちゅう)玉龍院(上京区)、お寺と教会の親なきあと相談室を開く真言宗泉涌寺派城興寺(南区)。

 このうち金剛寺は、モーニングコーヒーを味わいながらおしゃべりを楽しむ「朝活カフェ」が福祉活動に結びついた経緯に触れ、「お寺は、地域のさまざまな人がほっとできる場所として、大きな役割を持つ」とのコメントを寄せた。

(画像①アイキャッチ兼用:「親あるあいだの語らいカフェ」の活動が、誌面に取り上げられた)
「親あるあいだの語らいカフェ」の活動が、誌面に取り上げられた

 玉龍院は、コロナ禍をきっかけにひとり親家庭の支援に乗り出し、京都大学のボランティアサークルなどさまざまな団体とつながったことを紹介。城興寺は、自分の子どもに「親より先に死にたい」と言われたという檀家からの相談をきっかけに、障害のある子やひきこもりの子の親なきあとに取り組むようになったと明かしている。

 特集の最後では「お寺が中心となって思いを共有したり、人とつながることができる場がつくられています。みなさんも近くのお寺の活動に一度参加してみませんか?」と呼び掛ける一文もある。田中所長は「お寺は昔から人々のよりどころであり、幸い京都にたくさんある。お寺にもぜひ社協や福祉事業所とつながってもらい、地域住民が行きやすい存在になってほしい」と話した。

拠点になる可能性秘める

 「3カ寺とも地域に開かれていて、気軽に立ち寄れる身近な存在だった。もっと活動を知ってもらいたい」。特集のアイデアを出した京都市福祉ボランティアセンターの若手職員、井手俊介さんはそう語る。

(画像②:完成した「ボランティアーズ京都」11月号の発送作業に当たる井手さん)
完成した「ボランティアーズ京都」11月号の発送作業に当たる井手さん

 井手さんはお寺を社会資源の一つとして捉えており、多彩な活動を市民に知ってもらうことが新たなつながりを生み、福祉ボランティアの活性化になると考えた。田中所長も「目の付け所がいい。ぜひ誌面化して」と後押しした。

 9月には同僚の山極あゆ美さんと共に城興寺を訪れ、上原慎勢住職を取材。お寺と教会の親なきあと相談室の主要な取り組みである「親あるあいだの語らいカフェ」を中心に、活動への思いややりがいをていねいに尋ねた。

 合わせて、子ども食堂などで上原住職が感じている困りごとや悩みに応える形で、青少年関係の団体を紹介したり、ボランティア募集のチラシを京都市福祉ボランティアセンターに置くことなどを提案したりした。

(画像③:上原住職(左)から熱心に取材する井手さんと山極さん=9月29日、京都市南区の城興寺)
上原住職(左)から熱心に取材する井手さんと山極さん=9月29日、京都市南区の城興寺

 井手さんは「お寺はコミュニティースペースやボランティア活動の拠点になる可能性を秘めている。ボランティアや福祉活動に触れていない方々にも、今回の誌面を通じてそのことを知ってもらい、共感していただければ」と話している。

【用語解説】中間支援組織

 市民やNPO、企業、地域、行政などの間に立ち、さまざまな活動の支援や調整を行う組織。ネットワーク、コーディネート、政策提案、資金面の支援などの機能がある。「NPOのためのNPO」と呼ばれることもある。

【用語解説】介護者カフェ

 在宅介護の介護者(ケアラー)らが集まり、悩みや疑問を自由に語り合うことで、分かち合いや情報交換をする場。「ケアラーズカフェ」とも呼ばれる。主にNPO法人や自治体などが行っているが、浄土宗もお寺での開催に取り組んでいる。孤立を防ぐ活動として注目される。

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