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子の可能性信じて「親なきあと」伝える 佛光寺

2024年6月24日

※文化時報2024年5月10日号の掲載記事です。

 真宗佛光寺派は4月30日、本山佛光寺(京都市下京区)で「僧伽(さんが)に学ぶ研修会」を開いた。障害のある子やひきこもりの子と家族への伴走型支援を目指す一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室(小野木康雄代表理事)の理事兼アドバイザー、藤井奈緒氏が登壇。「『親なきあと』を知ろう―8050問題・ヤングケアラーの先に」と題して講演し、35人が聴講した。(佐々木雄嵩)

 藤井氏は、自身が重度の知的障害のある長女(21)と不登校の次女(15)の母親であることを明かし、親たちの多くが社会に絶望して「死ぬ時はこの子を連れていく」「この子より一日でも長生きする」と言ってしまう現状に触れた。

(画像:経験を通し「親なきあと」の問題を伝える藤井氏)
経験を通し「親なきあと」の問題を伝える藤井氏

 その上で「本心であっても口にしてはいけない。どんな障害があっても、幸せになる権利がある。一人の人間としての子の可能性と力を、親が信じなければならない」と強調した。

 続いて8050問題=用語解説=ヤングケアラー=用語解説、親なきあとは地続きの問題で、「誰の身にも起こり得る」と指摘。「『そんな子を産んだから』『育て方が悪いから』といった誹謗(ひぼう)中傷や世間の無理解は、生きること自体を否定されるのと同じだ」と語り、痛ましい事件を誘発している可能性に言及した。

 また「自己責任論」や「迷惑をかけてはいけない」という言葉の呪縛、周囲の偏見や先入観などは、当事者と家族が本来受けられるはずの支援を受けられない状況を生み出していると述べた。

 さらに、寛容さが欠けた社会にあって、誰もが安心して生きていける社会を実現するためには「傾聴が重要」と語り、「お寺と教会の親なきあと相談室の活動では、宗教者から学ばせていただくことが多い」と話した。

 次回「僧伽に学ぶ研修会」は5月16日午後1時半から。藤井氏が不登校・ひきこもりをテーマに話す。無料。

【用語解説】8050問題(はちまるごーまるもんだい)

ひきこもりの子どもと、同居して生活を支える親が高齢化し、孤立や困窮などに至る社会問題。かつては若者の問題とされていたひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子を養っている状態に由来する。

【用語解説】ヤングケアラー

障害や病気のある家族や高齢の祖父母を介護したり、家事を行ったりする18歳未満の子ども。厚生労働省と文部科学省が2021年4月に公表した全国調査では、中学2年生の5.7%(約17人に1人)、全日制高校2年生の4.1(約24人に1人)が該当した。埼玉県は20年3月、支援が県の責務と明示した全国初の「ケアラー支援条例」を制定。全国の自治体で同様の条例制定が相次いでいる。

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