検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉あるある > ほっこり万華鏡 > 高齢者の元気のもとは「推し活」

わかりあう

福祉あるある

高齢者の元気のもとは「推し活」

2023年3月21日

「〇〇さんは、結婚されていますか?」

 パーティーなどでちょっと気になる人を見つけた若者たちの会話ではありません。高齢者施設の女性入居者が50歳も年下の男性に発した言葉です。

推し活用のうちわ(イメージ画像)
“推し活”用のうちわ(イメージ画像)

 都内在住のある若い男性ミュージシャンは、新型コロナの感染が拡大してから「外出が難しい高齢者施設の入居者に少しでも楽しんでもらおう」と、オンラインコンサートを開始しました。双方向のコミュニケーションが可能というオンラインの特性を生かして、演奏する曲は前もって決めず、その場のリクエストに応じて歌うというスタイルが人気を呼び、今ではいくつもの施設の入居者たちが参加するようになりました。

 初めのうちは「画面の向こうで全く知らない男性が歌っている」ことに驚きや戸惑いを隠せない参加者も多かったそうですが、回を重ねるごとにこのスタイルになじみ、今では彼の名前入りのうちわやポンポンなどの手作り応援グッズを手に参加するなどの「推し活」をしている人も大勢いるとか。

 ある日のコンサートでのこと。いつものように参加者と画面越しに何げない会話をしていると、突然ある女性参加者が発したのが冒頭のセリフ。「いいえ、独身ですよ」と答えると、要介護でありながら「やったー‼」と椅子から立ち上がり、小躍りして喜んだそうです。

 彼女が本当に彼にほれていたのか、それとも「孫娘の相手にでも…」と考えていたのかは知る由もありませんが、当のミュージシャンも「『推し』がいることが、ここまで高齢者を元気にさせるとは」と、照れながらも驚いていました。

おすすめ記事

同じカテゴリの最新記事

error: コンテンツは保護されています