2023年8月30日
新型コロナが感染症法上の5類になって、老人ホームなどが外部のレクリエーションの受け入れを再開し始めています。歌や楽器演奏などを披露すると、入居者から「今日は若い人たちからたくさん元気をもらったわ」などの声が聞かれることが多いのですが、ときには逆のケースもあるようです。
市が運営する介護予防教室で、音楽に合わせて体操を楽しむ平均年齢約80歳のチームがあります。そんな「普通のおばあちゃんたち」が、2019年に音楽レクリエーションの全国コンテストに応募したところ、何と最優秀賞に輝きました。
その表彰式で知り合ったのが、音楽レクに力を入れている老人ホーム。同じ東北地方ということで意気投合し「いつかホームに遊びに行きますね」と約束したものの、その直後にコロナが広がり始め、果たせないままでいました。
しかし、先日ついにホームを訪れ、入居者に体操を披露できました。ホームからのお礼は「花笠音頭」のパフォーマンス。入居者には90歳以上の人も多いのですが、音楽レクに力を入れ、毎日体操をしているだけあって、背筋がしゃんと伸び、身体も良く動く実に見事な踊りでした。もちろん、体操チームもホーム手作りの花笠を手に、一緒に盛り上がりました。
体操チームによると、3年間集まって体操ができなかっただけでなく、年齢的に参加できなくなる人が出るなどして、メンバーのモチベーションが下がっていたところだったそうです。普段は、ほかの高齢者に「元気を保つ方法」を伝えることが多い彼女たちですが、この日は「自分より年上の人たちが頑張る姿を見て元気になろう」ということも訪問の大きな目的だったとか。
「ホームの皆さんの生き生きとした姿を見て『あと10年は頑張ろう』という気分になりました」と、メンバーたちは話していたそうです。