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福祉あるある

介護職をしながら得度「自分が見送りたい」

2023年9月18日

 高齢者施設の中には宗教法人やその関連法人が運営しているところが少なくありません。そうした施設では僧侶や神父・牧師、シスターなどの聖職者が施設長を務めていたり、施設を定期的に訪問したりすることがあります。入居者の死や病気に対する不安や恐怖を和らげたり、家族や友人を亡くした入居者のグリーフケアを行ったりと、ほかのホームではできない取り組みができるのが強みといえます。

読経(イメージ)
読経(イメージ)

 大阪府内のある有料老人ホームの施設長も僧侶です。しかし、運営会社は宗教法人やその関連ではありませんし、施設長の実家がお寺というわけでもありません。施設長は介護の仕事をしながら8年前に得度を受けて僧侶となったそうです。

 僧侶となった理由について施設長は、20年以上の介護職としてのキャリアの中で、多くの入居者を施設で看取(みと)ってきたことを挙げます。施設で葬儀をするケースも多かったそうですが、「菩提寺(ぼだいじ)がない」「菩提寺と縁遠くなっている」などのさまざまな理由で、葬儀会社が選んだ僧侶が読経をすることがありました。

 「しかし、その僧侶は故人と生前に会ったことがありません。『せめて、人生最後の数年間を一緒に過ごした私が読経をできれば、亡くなった方も喜ぶのではないだろうか』と考えました」

 彼が僧侶になってからホームで看取った入居者のうち、葬儀や供養に関与しなかったのは、「故人がクリスチャンだった」などわずか数件だけとのこと。特に最近では、入居者当人から生前に依頼されるだけでなく、子どもたちから「ぜひ、お世話になった施設長にお経をあげてもらいたい」と頼まれることが増えているそうです。

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