2025年2月17日
徳は孤ならず、必ず隣有り
――哲学者、孔子(紀元前5世紀ごろ)
徳のある人は決して孤立せず、必ず理解者が現れるという意味が込められたこの言葉からは、徳を積むことが社会を生きる上で助けになるという教訓を得られます。
孔子のいう徳とは、人間の道徳性を表す「五常」です。
五常は他者を思いやる「仁」、私欲よりも自身のなすべきことを行う「義」、礼節をもって敬う「礼」、物事の道理を理解する「智」、約束を守る誠実さの「信」―といった人間が生きる上で大切にすべき五つの項目をまとめたものです。
これらのことから、徳のある人とは、他者を思いやりつつ正しいことを貫き通すことができ、分をわきまえて目上の相手を敬い、物事の善悪を正しく見極めることができて、うそを言わず他者から信頼されている人―ということになります。
自身が正しいと思ったことを信じて貫く一方で、自分が正しいからといって他者を見下さず、他者の言葉に耳を傾ける人物こそ、周囲から必要とされる存在なのです。
何世紀も前に遺(のこ)された言葉ですが、人間が隣り合っている他者と支え合うことで多様な社会を発展させているという事実は、現代も変わりません。むしろ、インターネットが発展し、遠く離れた場所に暮らす人々とも隣人になることができる現代では、より一層徳を積むことが重要になります。
孔子の言葉を念頭に置いて、他者と寄り添い合うことを心がけましょう。