2022年12月30日
高齢者施設の師走の定番レクリエーションといえば、お餅つき。「これをしないとお正月が始まらない」と、毎年楽しみにしている利用者さんがほとんどです。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大で、2020年末はほとんどの施設が中止を余儀なくされました。せっかくの恒例行事がなくなり、なんだか物足りないお正月を味わった経験から、昨年は感染予防に工夫を凝らし、2年ぶりに再開した施設も多くあります。
そこで、コロナ禍での餅つきを感染予防しながら成功させた高齢者施設の職員さんに、どんなやり方をしたのか聞いてみました。
密を避け、衛生対策を徹底するのはどこの施設でも行うことですが、お餅をついた後が工夫のポイント。丸めたお餅を「食べる」のではなく、鏡餅として「飾る」ことにしたのです。
飾るのが目的なので、食中毒や感染症を気にすることもありません。ついた餅を丸める時も思う存分触ったり、こねたりすることができました。「楽しかった」とみんなから好評だったとか。参加した利用者さんは思い思いの鏡餅を作り、施設内各階に飾って、松の内が明けるまで堪能することができました。
もちろん、お餅つきの後には、白玉粉やうるち米を配合した“のどに詰まりにくいお餅”を管理栄養士さんと別途用意し、みんなでおいしく食べたそうです。
普段は1人で立つことができないのに、お餅つきになると自分で杵(きね)を持って大張り切りする利用者さんも見られ、まさに「昔取った杵柄(きねづか)」のことわざ通りだったそう。まだ新型コロナと共存することになりそうなこれからも、いろいろな工夫で利用者さんの喜ぶ行事を残していきたいものです。