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お寺と福祉の情報局

意外なコツ 気持ち良くレクに参加してもらうには

2023年6月29日

 介護施設で日々行われるレクリエーション。中には全く参加しない利用者もいますが、介護士の声かけや事前準備によって心が動き、行動に移してもらえる場合があります。今回は、利用者に気持ち良くレクに参加してもらえるポイントを説明します。

介護施設でのレクリエーション(イメージ)
介護施設でのレクリエーション(イメージ)

なぜレクに参加しないのか?

 利用者がレクに参加しないのはなぜでしょうか。元々単独行動を好む方もいますが、全く興味のないものばかりだったり、毎回同じレクを繰り返していたりして、「つまらない」と感じている利用者は少なくないのが現実です。

 そこで諦める必要はありません。アプローチを変えると、すんなり解決できることもあります。まずは利用者の生の声を聴き取りながら、対策を練るよう心がけましょう。

 いろいろな人がいますので、好き嫌いは当然あります。拒否されてもめげずに、気長に取り組むことが大切です。

事前にお知らせする

 レクを行う場合は、できるだけ事前にお知らせすることをおすすめします。20分ぐらい前にアナウンスを入れてみましょう。

 1人で部屋にいる場合も、アナウンスは聞こえます。何となく気になって、ちょっと廊下へ出ようかと顔を出すことがあります。その時がレクに誘うチャンスです。

 余裕があれば、前もって一覧表を作っておき、予定をお知らせするのも効果的です。エレベーター前やダイニングなど人目につきやすい場所に掲示すると、時間をかけて丁寧に読んでもらえることが多く、中にはいそいそとメモをして、予定を組んでくれる方もいます。

 利用者はいくら自分の時間があるといっても、「今からレクに来てください」と言われてすぐに行動に移せる人は少ないと考えられます。筆者も自分がレクを担当する日に利用者へ声をかけたところ「もっと早く言ってほしかった」と、残念がられたことがありました。

 気に入ったレクに合わせて体調を整え、心身の調子を万全にして臨みたいと思う利用者もいます。できる範囲で余裕を持ってお知らせすると、心の準備ができて、楽しく参加してもらえます。

あなたと一緒にレクをしたいと伝える

 「〇〇さんとストレッチしたいです」「〇〇さんと一緒に歌を歌いたいです」と利用者の名前を呼び、声かけをするのも大事なコミュニケーションです。

 立ち止まって利用者の肩や背中に優しく手を添え、目線を合わせてほほ笑みながら声をかけると、好印象を持たれやすくなります。

 誰でも自分のことを大事に思ってくれたと感じるとうれしいものです。介護士の思いが伝わることで、利用者はレクに参加しようと次の行動に移してもらえること多いです。

 筆者がよく言っていたのは「〇〇さんがいないとレクが始まらないですよ〜」でした。最初は興味を示さなくても、「そうか、仕方ないな」と、照れながら参加してもらえることが何度もありました。

 ここで大事なことは、決して無理強いせず、穏やかな雰囲気を作ることです。介護士は話しやすい存在になることがとても重要です。

個別レクで信頼関係をつくる

 団体レクだけでなく、個別で一人一人に向き合うレクもときどき取り入れてみると、利用者との信頼関係が縮まります。

 例えば大勢でボール投げやゲームをやるのは嫌いだけど、絵を描くのが好きという方の場合は、少人数または個別に制作時間を設けると、同じような趣味を持つ人たちと自然に会話したり、完成した作品を褒め合ったりする場面が見られることもあります。

 今までしなかった話を聞けるだけでなく、どれだけ体を動かせるかといった様子を見守ることができます。

 レクが終わると「また一緒の時はよろしくね」とお互いに声をかけ、慣れてくると利用者同士で誘い合う良い展開が生まれます。介護士が必死に声かけを行うことも減るので、ぜひチャレンジしてください。

興味・関心の引き出しをいくつも持とう

 レクは運動やカラオケなどの娯楽だけではありません。散歩や買い物、洗濯物を畳むことなど、生活の中に要素がたくさんあります。

 昔話や絵本の読み聞かせなど、一見幼稚に思えることでも絵本を開くだけで喜んだり、子どもの頃を思い出して聞き入ったりする利用者もいます。

 逆に、現代の流行の音楽を流すだけでも脳の活性化につながります。「若者はこんな曲を聞いていますよ。お孫さんもお好きかもしれませんね」と伝えると、熱心に歌詞を読む人もいます。

 好きなものは人それぞれ。介護士は興味・関心の引き出しをいくつも持っているといいでしょう。利用者と一緒に楽しむことを忘れず、工夫していきましょう。

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